アメリカの鏡・日本

アメリカの鏡・日本』(あめりかのかがみ・にほん)は、ヘレン・ミアーズの著書の邦題である。

概要

原題は『Mirror for Americans:JAPAN』で、ヘレン・ミアーズ(Helen Mears、1900-1989、アメリカ)による著書。アメリカでは終戦後間もない1948年に出版された。著者より同書を贈られた翻訳家・原百代氏は日本での翻訳・出版の許可をGHQに求めたが、却下された。GHQによる占領終了の翌年の1953年、原氏の翻訳は『アメリカの反省』との邦題で出版。1995年、伊藤延司氏の翻訳による『アメリカの鏡・日本』が出版(アイネックス発行)、2005年、アイネックス版の復刻版との位置づけで『新版 アメリカの鏡・日本』が角川学芸出版より出版、同年、その抄訳版が角川書店より出版されている。

本書の導入部である「第一章 爆撃機から見たアメリカの政策」と、有史以来の日本の歴史について概観した「第四章 伝統的侵略性」は、抄訳版では割愛されている。

内容

パールハーバー以来、我々アメリカ人は、日本人は近代以前から好戦的民族なのだと信じさせられてきた。しかし、前近代の日本の歴史を振り返ると、同時代のどの欧米諸国と比較しても平和主義的な国家であったといえる。開国後、近代化を成し遂げる過程で日本は、国際社会において欧米先進国の行動に倣い、「西洋の原則」を忠実に守るよう「教育」されてきたのであり、その結果、帝国主義国家に変貌するのは当然の成り行きだった。以後の好戦的、侵略的とも見える日本の行動は、我々欧米諸国自身の行動、姿が映し出された鏡といえるものであり、日本を裁けるほどアメリカは潔白でも公正でもない。また、日本が大戦中に掲げた大東亜共栄圏構想は「法的擬制」(本書中にしばしば登場する言葉で、「見せかけ」「建て前」と類義)であるが、アメリカのモンロー主義同様、そのような法的擬制は「西洋の原則」として広く認められていた。さらに戦前・戦中においては、国際問題は「道義的」かどうかではなく「合法的」かどうかが問題とされていたのであり、韓国併合満州事変等に関して、戦後になってから道義的責任を追及するのは偽善である。実際に戦前・戦中の段階で、日本の政策に対して人道的懸念を公式表明した国は皆無であり、自国の「合法性」を主張する言葉でのみ日本を非難していた。

アメリカの鏡・日本


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