上下関係
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上下関係(じょうげかんけい)とは、人間関係において身分あるいは立場の順列が絶対的、相対的に規定された関係・状況である。縦割り(たてわり)とも呼ばれる。
身分、立場が優位にあるときに「上」、身分、立場が劣位にあるときに「下」をあてはめる。一般に上下関係が「上」の人間は決済などの権限を多く有するとともに責任を負う。会社組織では上下関係と給料が関係してくることも多い。
上下関係を規定する要因は多岐にわたる。時代によって価値観の変化により上下関係が変化する場合もある。
目次 |
上と下を規定する基準の例
日本の学校における上下関係
小学校ではあまり見られないが、中学校になるとたとえ1つでも学年が異なると先輩と後輩の明確な上下関係が生じる。特に運動部や女子はこれが強い場合が多い。それはいわゆる体育会系の特徴と見なされている。また、特に女子の「仲良しグループ」間の関係においてはクラスメイトであっても、内部では見えない上下関係が存在し、例え同年代であろうが遠慮しあったり時には敬語を使うなど、「主従関係」がはっきりしている場合もある。特に中学校より上の学校では、例えば下級生は上級生に対して常に敬語を用いなければならないとか、校則の範囲内で服装を着崩しても上級生の前では服装を正さなければならない(制服は崩してもよいがユニフォームはきちんと着なければならない)、教師の指導は無視しても上級生や部の監督には絶対服従などの「裏校則」も存在している。
宗教における上下関係
厳格な上下関係を課す宗教としてはカースト制度が有名である。また、儒教も上下関係を強く重んじる。
縦社会
日本の社会では、個人の上下関係が社会における主要な関係になっているとして、このような社会を縦社会ということがある。中根千枝が著書「タテ社会の人間関係―単一社会の理論」で論じて有名になった。
趣味における上下関係
最近では、ゲームセンターのゲームにおいて、そのゲームの腕の優れたプレイヤーの実年齢が自分より下であっても敬語を使わなければならないなど、暗黙の了解で「縦社会化」していることがある。また学校や職場の「派閥」同様”取巻き”がおり、そのプレイヤーの逆鱗に触れると、二度とそのゲームセンターでゲームができなくなることもある、という例が散見されている(特に音楽ゲームに多く見られる)。
上下関係の弊害
上司・上官・先輩への下からの異論を許さず、下を萎縮させるような厳格な上下関係は、軍隊や仕事やスポーツにおけるチーム内の意思疎通をさまたげる。結果として「上の判断ミスが誰にも修正されない」「下の者が気づいた異変や状況変化が上に伝わらない」といったことから、チーム全体の破滅(敗北など)を導きやすい。
- 外科医が手術部位ではない側の手足や目を切除するのを、看護師が誤りと知りながら諌言せず傍観する
- 船舶の操船において、「船長が座礁させるか、他の船と衝突するまで甲板士官らは目を丸くしたまま沈黙を守る」ことは異常とは言えない[1]
航空業界に上意下達の弊害を思い知らせたのは、1977年に起こったジャンボ機同士の衝突事故、テネリフェ空港ジャンボ機衝突事故であった。この事故は双方の飛行機および管制官の間にさまざまな思い込みがあったことが原因となっているが、特に一方の当事者となったKLM機内では、クルーの内の航空機関士がパンナム機との衝突の可能性に気づいていたにもかかわらず、上司である機長がその可能性を否定したために再度機長に口を挟むことに萎縮してしまい、結果両機が正面衝突する悲劇につながった。
この事故以後、航空業界では上意下達より、乗員相互の合意による意思決定が強調されるようになった。これは航空業界でCRM(crew/cockpit resource management、人的資源の管理)として知られているもので、現在ではすべての航空会社の基礎的な安全管理方式や訓練体系となっている。
また自衛隊や警察官吏、スポーツ界、職人(特に料理人や伝統工芸)、芸能界(特に歌舞伎や落語・漫才などの芸道)、テレビ・映像業界(特にADや助監督の奴隷的扱いなど)なども師弟制度による上下関係が厳しいことで有名であり、年数の低い年上が年下の先輩に拳や道具で殴られたり足蹴にされたり、人目憚らず罵倒したりするシーンがよく見られる。これらのようにしごかれながら技術を身につけること(端で見れば暴力・暴言であっても師匠や先輩の弟子に対する「愛のムチ」である、という考え)は当たり前とされている。しかし、インターネットなどの普及や価値観の多様化、いじめ問題やパワーハラスメントなどから時代錯誤であるという意見も多い。
弊害の防止策
上下関係が厳しい組織では上の立場におけるものからの暴力や暴言やその他人権の侵害と思われる行為が正当化されていたりする場合が多い。また、軍隊における軍法会議においては下級の者と上級の者が同じ罪を犯した場合でも、下級の者には厳しい判決が出る一方で、上級のものは罰金程度で終わったりすることがある。 北欧やドイツの軍隊ではそれを防止するため、軍事オンブズマン制度を設けている。(第三者による監視) これにより、北欧やドイツの軍隊では他の国の軍隊に比べて、無理強いやしごきが少ないと言われる。 (クライン孝子はドイツ軍を例に挙げ、自身の息子が徴兵でドイツ軍に入隊した際の体験と比較し、韓国軍で行われているしごきを批判していた) また、この軍事オンブズマン制度は自衛隊でも導入すべきだという意見も一部にある。
脚注
- ^ 『機長の真実』 デヴィッド・ビーティー 講談社 2002年 228頁
関連項目
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