M3サブマシンガン

M3サブマシンガン
M3グリースガン
M3サブマシンガン
種類軍用短機関銃
製造国 アメリカ合衆国中国
設計・製造ゼネラルモーターズ
仕様
種別短機関銃
口径11.43mm
9mm
銃身長203mm
使用弾薬.45ACP弾
9mmパラベラム弾
装弾数30発(箱型弾倉)
作動方式ストレートブローバック
全長570mm
745mm(銃床延長時)
重量3700g
発射速度400~450発/分
銃口初速280m/秒
歴史
 Template‐ノート:銃器 

M3サブマシンガン: M3 Submachine Gun)は、第二次世界大戦中にジョージ・ハイドとフレデリック・シンプソンによって設計され、アメリカ軍に採用された短機関銃である。

独特の外観からグリースガン(Grease Gun 潤滑油=グリースを機械に注入する工具に似ていたため)、ケーキデコレーター(ケーキの上にクリームをしぼり出して飾りつける道具に似ていたため)、また生産地からデトロイト・サブマシンガンとも呼ばれている。

目次

歴史と概要

アメリカ軍は第二次大戦初期当時、制式短機関銃としてトンプソン・サブマシンガンを採用していた。だがトンプソンは原設計が古く、木製のグリップやストックを装備しレシーバーを削り出しで製造するなど性能重視の設計だったため、MP40ステンガンなどの外国製の同種火器に比べて、コストが高く生産効率が悪かった。

軍では性能を多少落としても生産性を高めることを要求し、プレス加工溶接のみで製造できる本銃が開発された。開発にあたっては自動車量産のために鋼板プレス加工と溶接技術に長けていた大手自動車メーカー・ゼネラルモータースの技術が利用された。メカニズムはMP40などが参考にされたが、より簡易で安価な作りで、プレスで作ったモナカ状のレシーバーを溶接で貼り合わせ組み上げている。弾丸はトンプソンと同様、アメリカ軍制式の45ACP弾が引き続いて採用されている。

試作銃の試験結果は良好で、1942年12月24日に、試作銃T20がM3の名称で採用された。制式名称 は"U.S. Submachine Gun, Cal. .45, M3 / M3A1"だった。

この銃は非常に単純化されたメカニズムを備えていた。特に、安全装置として排夾口の蓋を利用した(発射する時だけ蓋を開く)単純明快なアイデアは、傑出した合理化策と言える。故障が大変少なく、携帯性にも優れていたので(トンプソンの全長は813mmであり、本銃の全長は579mm)、歩兵以外にも戦車兵の自衛用火器などとして使用された。生産コストもトンプソンの1/3の22ドル(当時)と安価であった。弾丸の発射速度はM1より遅かったが、その分射撃中のコントロールが容易というメリットがあり、フルオート射撃専用の銃であるにもかかわらず、瞬間だけ引き金を引き、擬似的なセミオート射撃を行う扱いに熟練した兵士もいたという。また伸縮式ストックが分解・装填用ツールを兼ねるという「工具」的な仕様も好評だった。

グリース・ガン」を思わせる工具風外見は、最初に支給された兵士たちからは奇異に受け止められたが、実戦において取り回しが良く信頼性の高い銃であることが実証されると、多くの兵士たちから愛用されるようになった。

しかし、M3には大きな欠点があった。外付けのコッキングレバーを手荒く扱うと外れてしまうという問題である。そこで1944年には、コッキングレバーを省略し、ボルトに凹みを付けて初弾装填時に直接指で動かすようにするなど簡易化したM3A1が開発された。ボルトは撃発により熱くなるが、手袋を填めた兵士ならこれでも問題なく使え、部品点数を減らしつつ信頼性が高まったため、M3シリーズの完成形となった。

M3A1は第二次世界大戦や朝鮮戦争などで広く使用された。戦後の日本の陸上自衛隊でも11.4mm短機関銃M3A1の名で制式採用され、9mm機関けん銃には更新されず、戦車搭乗員の他普通科部隊の対戦車小隊所属60式自走無反動砲乗務員や高射特科部隊隊員などで使用されている。装備年鑑にはM3A1との記載しかないが、M3とM3A1が混在している。また、海上自衛隊でも少数であるが使用されている。

大戦中のM3とM3A1の総生産数は約646,000以上であった。また、朝鮮戦争勃発に合わせ、更にM3A1が33,200挺生産されている。後にベトナム戦争の初期にも使用されたが、湿度の高いベトナムでは薄い鉄板製のレシーバーが錆びやすく、評判は良くなかった。

バリエーション

M3

最初期型モデル。

M3A1

1944年に開発されたM3の改良型モデル。破損しやすかったコッキングレバーを省略するなどした。

M3S

第二次世界大戦中に、ベル研究所にて製造されたサイレンサー付きのモデル。OSS向けに約1000丁が製造された。

コピー生産

36式11公厘衝鋒槍

中国国民党兵工署が第九十廠(第二次世界大戦後に接収した奉天造兵廠)がコピー生産したもの。M3A1が元になっており、「36」は中華民国暦による。国共内戦の後、中国共産党軍に接収されたものが朝鮮戦争において中国人民志願軍に使用されたり、ベトナム戦争時に南ベトナム解放民族戦線に対して給与された。9mmパラベラム弾を使用するモデルもある。

PAM1

アルゼンチンのFMAP(Fabrica Militar de Armas Portatiles,軍用小火器工廠)でコピー生産されたもの。M3A1が元になっているが、9mmパラベラム弾を使用する。また、グリップセーフティを備えたPAM2というモデルも存在する。


登場作品

映画・テレビドラマ

  • 特攻大作戦 The Dirty Dozen (1967)
  • 突撃隊
リース (スティーブ・マックイーン)が使用。
主に補充兵が装備。

ゲーム

小説・映画

伊庭三尉が反乱を起こした哨戒艇を攻撃したのに用いたほか、川中島の戦いではヘリコプターのパイロットが上空から武田勢を掃射するのに使用。
陸自の対ハイジャック専門部隊が所持。
1981年版で星泉が使用。
米国から派遣された特殊部隊が使用。

関連項目

ウィキメディア・コモンズ

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