深夜バス

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深夜急行バス(写真は東急バス)
深夜急行バス(写真は東急バス)

深夜バス(しんやバス)とは、主に深夜(23時以降、日の出前まで)に運行される路線バスである。

目次

日本

概要

深夜以外の時間帯に運行される通常バス路線のルートのままで、深夜の時間帯に運行されるものがある。その他、鉄道路線の最終電車発車後にその路線の代替輸送の目的で大都市などのターミナル駅からベッドタウン方面へ運行されるものがある。後者の場合は、深夜急行バス(しんやきゅうこうバス)又は深夜中距離バス(しんやちゅうきょりバス)と呼ばれる事がある。

主に残業宴会などで帰宅の遅くなる通勤客を想定している。そのため、多くの路線では多くの会社が休日となる曜日、祝日振替休日旧盆年末年始が運休となる(0時を過ぎて間もない時点の深夜は前日と見なす)。この他にゴールデンウィークも運休となる路線もある(主に近畿圏の路線に多い)。また、逆に旧盆の平日や土曜・休日にも運行を行う路線もある。

なお、23 - 24時以降も通常運賃で運行している事業者(遠州鉄道のウィークエンドライナーや淡路交通の高速舞子 - 東浦BTなど)もあるが、本項ではその様な路線については扱わない。

通常バス路線の深夜バス

深夜バスの一例(名古屋市営バス)
深夜バスの一例(名古屋市営バス)

概説

多くの路線の場合、23時以降(奈良交通京阪バスなど24時以降とする事業者もいる)に始発バス停を発車し、通常より高い運賃を徴収するバスと定義されているため、運賃は通常の倍額である事が多い。なお、定期券(事業者によっては各種企画乗車券も)で利用する場合は差額分として通常運賃を支払う必要がある。首都圏及び近畿圏では鉄道駅団地などの住宅地を結ぶ路線が多く、深夜バスの最終便は発車停留所の駅までの最終電車の到着に接続する形でダイヤが組まれている場合が多い。近年では郊外駅発着の一般路線を都心寄りの終電終着駅まで延長した形を取るものもあり、国際興業バス東急バスなどが一部地域で実施している。

大都市圏以外の地域では都心部から郊外へ運行されるものが多い。西日本鉄道の「ひきの号」やJRバス関東関東鉄道の「つくば号」の場合、高速バスでありながら深夜バスを運行している他、京成バス日東交通の東京 - 君津線には「アクアスター号」という深夜高速バスを運行している。

岩手県交通が盛岡地区で運行している「深夜バス」や、新常磐交通がいわき地区で運行している「ナイトバス」(新常磐交通での名称)の様に、倍額運賃ではなく、割り増し運賃の扱いを行っているケースもある。

深夜バスは、通常の路線バスとは異なるサービスを提供するという観点から貸切免許での運行が認められており、以後の深夜バスでも貸切免許による運行によるものが多くなっている。また、「夜」をイメージするものとして、行先表示に星(国際興業バス)や月(西日本鉄道)、フクロウ(都営バス)などが描かれる事がある。なお、都営バスでは「ミッドナイト25」という愛称が付けられている。

歴史

深夜時間帯の路線バスの運行については、1960年代後半より利用者からの要望が高まっていた。これにはベッドタウンの外延化があり、通勤時間が長くなるに連れ、必然的に利用者が最寄駅に到着する時刻が遅くなる事が背景にあった。当時の運輸省(現:国土交通省)ではこれに応えるべく、1970年12月に「大都市周辺部の深夜バス輸送について」という通達を出し、バス事業者に対して深夜時間帯の路線バス運行について検討を呼び掛けた。

これに先立つ同年5月、入居が開始されて間もない鶴川団地(東京都町田市)の住民は、路線バスを運行する神奈川中央交通に対して鶴川駅発最終バスの延長を申し入れた。これに対して同社では7月27日より23時台に2本の深夜バスの運行を開始し、通常運賃の3倍の運賃を設定した。これが日本初の深夜バスである。

1971年には、当時バス事業も行っていた東武鉄道が運輸省の通達を受けて深夜バスの運行を開始し、さらに1980年には当時バス事業も行っていた京王帝都電鉄が一挙にエリア内の全域で深夜バスの運行を開始している。

各事業者の深夜バス営業開始年度は次の通りである[1]

採算ラインは30名程度と通常の路線バスよりも高くなるため、中には採算性から運行を廃止するケースも見られるものの、現在でも多くの路線が運行されている。

深夜の鉄道代替バス(急行・中距離)

深夜急行バスの一例(国際興業バス)
深夜急行バスの一例(国際興業バス)

東京都内や大阪市内などのターミナル駅からの鉄道路線の最終電車の発車後にクローズド・ドア方式を採用して一般路線バスよりも長距離(大体10 - 50km程度)を走り、列車運行終了後の輸送を確保する深夜バスである。一部路線では途中停留所からの乗車が可能な路線もある。

運賃は同区間の鉄道運賃よりはかなり割高だが、タクシーよりは割安な金額(距離により1,000 - 4,000円程度)が設定される。また、高速バスが運行している区間ではその運賃の4倍前後となっている。但し、通常の深夜バスとは違い、定期券やバスカード・ICカード乗車券・企画乗車券の利用はできない(路線によっては利用できる券種もある)。

多くの路線は、目的地となる駅への終電が発車した後、0 - 1時頃に発車停留所を出発し、目的地には1 - 3時頃に到着するダイヤが組まれている。また、高速道路を利用する路線が多く、快適に帰宅できる様にするために、観光バスタイプの車両による座席定員制を採用するところが多いが、最近では高速道路を利用しない路線についてバリアフリーに対応すべくワンロマ車を使用する事が多い。また、車内で酔って気分を悪くした乗客のためにエチケット袋が各座席に用意されている路線も多い。さらには自動車電話を設置している路線もある。

一般的には平日(月 - 金曜日)の深夜時間帯に運行されるが、土・日曜日、祝日、振替休日の深夜は運休となっている。また、平日でも旧盆年末年始は運休という例も多く見受けられる。

バブル経済絶頂期の1988年頃から運行が開始されたが、経済の変化により利用客が減少し、運行日を金曜日のみに縮小したり、或いは廃止される路線も出ている。その一方で2000年代に入ってから逆に運行回数を増やす路線(主に金曜・祝前日深夜など)や新たに路線を設定したり、もしくは郊外駅を起点に運行を開始(例:大宮駅・春日部駅・立川駅発の路線を設定)するケースや、途中郊外駅からの乗車扱いを行うケースも見受けられている。

深夜急行(中距離)バス路線一覧

停留所は主要停留所のみ
★…金曜日のみ運行 ◎…土曜日も運行 ☆…ゴールデンウィークも運休

東京発
※この4路線は当該記事も参照。

大宮発

川越発

春日部発
  • 春日部駅→八木崎駅・東岩槻駅・岩槻駅(東武バスウエスト)

船橋発
  • 船橋駅→津田沼駅・八千代台駅・京成大和田駅・勝田台駅・志津駅・ユーカリが丘駅・京成臼井駅・京成佐倉駅・京成酒々井駅・公津の杜駅・JR成田駅(ちぱグリーンバス) - 津田沼駅・八千代台駅・勝田台駅からの乗車扱いあり。

海浜幕張発
  • 海浜幕張駅→千葉駅・蘇我駅・鎌取駅・誉田駅・土気駅・大網駅・山田インター入口(平和交通) - 千葉駅・蘇我駅からの乗車扱いあり。

取手発

横浜発

大阪発
※この2路線は当該記事も参照。
※この3路線は当該記事も参照。

類似のバス

前述の「深夜急行(中距離)バス」とは逆に、平和交通が「早朝特急バス」を平日の早朝に運行している。

日本以外

香港の深夜バス
香港の深夜バス

香港

香港では、一部の路線で深夜バスが運行されている。但し、日本とは異なり、深夜時間帯も一定の間隔で終夜運行されている。深夜時間帯に運行する路線は、日中の路線とは経路が異なっていて、系統番号がNxxとなっている他、料金も割高となっている。香港国際空港と市内を結ぶ路線などもあり、利便性は高い。

フランス

フランスでは、パリ市内から郊外へ向かう深夜バスが10路線設定されている。この路線では、停留所を日中の運行とは異なる設定にした上で、毎時1本程度設定されて、「ナイトバス」と呼ばれている。行先表示と停車停留所標識にはフクロウのマークが入る。運賃は日中と同額である。

イギリス

イギリスでは、ロンドン市内の主要な地区を結ぶ深夜バスを運行している。日中運行の系統の中から8系統と、深夜バスのみの系統が53系統設定されている。深夜1時から早朝5時までの間に各路線共毎時1本程度運行され、一部を除いてトラファルガースクエアを経由する。運賃は日中と同額であるが、一日乗車券の利用はできない。

関連項目

参考文献

  • バス・ジャパン』8号「深夜バスの人気を探る」(1988年4月・バス・ジャパン刊行会)
  • 鈴木文彦『路線バスの現在・未来』(2001年・グランプリ出版)
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外部リンク

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