講談社BOX

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講談社BOX(こうだんしゃボックス)は、講談社2006年11月から発行している書籍レーベル、及び講談社の部署名。小説のみにとどまらず、漫画批評書も刊行しており、「ハイブリッド・レーベル」を標榜している。銀の箱に入れられた装丁が特徴である。

創刊当初から講談社BOX新人賞を主催し新人作家・イラストレーターを積極的に世に出している。また、2008年からは雑誌『パンドラ』を刊行している。

目次

概要

初代部長は文芸誌『ファウスト』編集長の太田克史。二代目部長は、講談社ノベルスで島田荘司竹本健治綾辻行人麻耶雄嵩などを担当していた秋元直樹(2008年12月~)。キャッチコピーは 「Everything is Boxed, KODANSHA BOX. 開けるのは“あなた”です。」。

小説・漫画・批評を、銀の箱という統一的なフォーマットで刊行する(箱に入っていない「講談社BOXピース」も何冊か刊行している)。また、創刊当初から講談社BOX新人賞を主催し、2008年からは雑誌『パンドラ』を刊行している。刊行冊数は、2009年5月の鏡征爾『白の断章』で100冊に到達した(銀の箱に入った刊行書籍のみカウントされている)。

また特別企画も多く行っており、新人批評家を選考・育成しデビューさせる『東浩紀のゼロアカ道場』(2008年3月~2009年8月)、参加者16名全員の漫画家デビューを目指す『西島大介のひらめき☆マンガ学校』(2009年7月~)、クリエーターと読者が集う場所を作った『KOBOCAFE』(2008年5月~8月)などがある。

amazon.co.jp内には公式コーナーが設置されており[1]、作家へのインタビューなどが読めるほか、女優の多部未華子や声優の中原麻衣によるレビューを載せるなどして、積極的にPRが行われている。

講談社BOXの開始当初の講談社内での位置づけは、「講談社文芸局 海外文芸出版部 講談社BOX編集部」であった。当時講談社が新設した文芸局海外文芸出版部の中に、入れ子細工のように「講談社BOX」編集部が作られた[2]。現在は「文芸局講談社BOX」という扱いである。

講談社BOXはオフィスが講談社の本館とは別の場所にあるため、「部独自のカルチャーみたいなもの」が次第に出来あがってきていると、初代部長の太田は述べている。毎日編集部に作家が遊びにくるようなところは、講談社の他の書籍系の編集部にはなく、そのことを太田克史は誇りに思っているという。[3]

刊行内容

小説は、当初は講談社の文芸誌『メフィスト』、『ファウスト』、『群像』に掲載された作品を刊行していたが、創刊から1年半ほどしてから講談社BOX新人賞受賞者の作品の刊行を開始し、以来多くの新人作家を輩出している。また、創刊直後の2007年1月からは、ある作家が12か月連続で単行本を刊行するという「大河ノベル」の企画が実施され、2009年まで3年間続けられた。

講談社BOXからデビューした作家一覧
  • 講談社BOX新人賞 大賞受賞者
鏡征爾至道流星杉山幌ウノサワスバル
  • 講談社BOX新人賞 優秀賞受賞者
小柳粒男泉和良(小説デビュー以前に、ゲームクリエーターとして活躍している)、黒乃翔天原聖海岩城裕明
  • 講談社BOX新人賞 あしたの賞受賞者
小仙波貴幸(あしたの賞受賞後、『パンドラ』の下剋上ボックスよりデビュー)
  • その他
針谷卓史三田文学新人賞受賞後、講談社BOXより単行本デビュー)、円居挽(『パンドラ』の下剋上ボックスよりデビュー)

漫画作品は既に一度発売された作品の復刊がほとんどだが(復刊の場合、まだ別レーベルで手に入るものを刊行する場合もある)、海外のウェブコミックを単行本化した『メガトーキョー』などもある。『パンドラ』や『ファウスト』に掲載された新作の漫画は、KCデラックス(講談社の漫画レーベル)として刊行されている。

批評・ノンフィクションでは東浩紀渡辺浩弐の著作が刊行されている。批評・ノンフィクションは、新書サラリーマン世代の読み物となってしまっている現状では、10代や20代に届くはずの批評も届いていない現状を変えたいという考えで出版されている。初代部長の太田克史は、「『搾取される若者たち―バイク便ライダーは見た!』(阿部真大、集英社新書、2006年)は新書で販売されているから若者に届かないだけで、これが講談社BOXだったら届く」と講談社BOXが批評を出版する意味を語っている。

取り扱う作品の作風は、漫画作品も含めて「思春期の自意識」をテーマにした作品が多かったが、雑誌『パンドラ』のキャッチコピーであった「思春期の自意識を生きるシンフォニー・マガジン」という言葉は2009年4月発売のVol.3から「文芸と批評とコミックが「交差」(クロスオーバー)する講談社BOXマガジン」に変更されており、『パンドラ』Vol.3の編集後記では、今後の出版傾向の変更が示唆されている。

装丁

銀色の紙ケースにB6判ソフトカバーを収納する、という特徴的な装丁を採用している。カバーなどは無く、通常の帯の代わりに箱に丸いシール(ステッカー)が貼付される。このアイデアは清涼院流水によるもの[4]。シールは、全て職人の手作業で貼られており、斜めになっている理由は、太田克史部長が斜に構えているからだという[5]

世界最強の出版レーベル

講談社BOX開始時には「世界市場で同時展開する“世界最強の出版レーベル”を目指してスタート」というようにその目的が説明されており、「講談社BOXのラインナップが50点、100点と重なっていったとき、世界の出版社と手を組んで、そのラインナップを世界の“受け手”に同時に届けていきます」[6]とされている。

創刊の2年後の2008年12月、初代部長の太田克史は「創刊当初からの志でもあった“世界最強の出版レーベルを目指す”世界展開についても、先だってのフランクフルトブックフェアへの参加などの活動が功を奏し、現在、世界各国から順調にオファーが入ってきている」[7]と述べている。

2008年10月にドイツのフランクフルトで行われた「フランクフルト・ブックフェア」の様子は後日講談社BOX公式サイトで公開される予定だったが、実際には公開されなかった。

講談社BOX新人賞

講談社BOX新人賞」を参照

出版企画

大河ノベル

大河ノベル(たいが-)とは、ある作家が一年間、12か月連続で作品を刊行する企画である。12か月連続刊行という試みは日本文芸界、そして世界出版界でも史上初とされる。12か月連続刊行にあたって「書き溜め」を禁止していた。

2007年の清涼院流水西尾維新、2008年の島田荘司、2009年の定金伸治と、3年間で計4人の作家がこの企画に参加した。ただし、当初の予定通り12か月連続刊行を成功させたのは、2007年の清涼院流水と西尾維新のみである。2008年の島田荘司作品は、第1部が2008年1月からの3か月連続刊行、第2部が2008年10月からの4か月連続刊行となり、2010年に第3部・第4部の刊行が予定されている[8]。2009年の定金伸治作品は、1月からの4か月連続刊行ののち、作者の体調不良を理由に刊行が中断している。

大河ノベル2007

大河ノベル2008

  • 島田荘司Classical Fantasy Within
    • 第1部が2008年1月から3か月連続刊行。第2部が2008年10月から4か月連続刊行。2009年末までに、計7巻が刊行されている。
    • 2008年に12か月連続刊行が予定されていたが、その後「2008年1月 - 3月、2008年10月 - 2009年6月」と刊行予定が変更された。その後再度変更となり、2010年に第3部と第4部の刊行が予定されている。
    • 当初は、奇数月・偶数月で2作品を各6巻とされていたが、刊行開始直前に偶数月刊行の作品(「進々堂世界一周」)を単独作品とし、奇数月予定だった作品を全12巻に変更することが発表された。
    • また、『進々堂世界一周』を『Classical Fantasy Within』の空白期間に充てることがパンドラvol.1 SIDE-B(袋綴じ)で発表された。
    • 島田荘司、士郎正宗両氏の他の仕事との折り合いの関係上、2008年1月〜3月に3巻まで刊行され、そこで一旦中断。2008年10月から4巻以降の刊行が再開され、2009年1月の第7巻までで再度中断、2009年9月より再開するという計画に変更になる事が発表された。
    • 「進々堂世界一周」は、2010年以降に不定期に刊行予定。特別に1作品のみ『Anniversary50 カッパ・ノベルス創刊50周年記念作品』(光文社、2009年12月)に掲載された。
    • 島田荘司の公認サイトで、島田荘司の大河ノベル開始前の打ち合わせの様子などが分かる[9]

大河ノベル2009

  • 定金伸治四方世界の王
    • 当初、2009年1月から12か月連続刊行予定であったが、著者の体調不良を理由に4月発売の4巻以降刊行休止となり、再開は未定である。

LINK! project

講談社BOXとゲームソフト会社チュンソフトが協力し、2009年秋に開始された出版企画。チュンソフトが発売したゲームソフトの小説版を刊行する。

雑誌『パンドラ』

パンドラ (文芸誌)」を参照

イベント・企画

KOBOCAFE

講談社BOX編集部が運営していたブックカフェ。コンセプトは、1930年代アメリカニューヨークあたりの私立探偵事務所みたいな講談社BOXの持っているイメージの危なっかしい、危険な匂いのするブックカフェと、気軽に立ち寄れる「編集者作者」と「読者」が繋がれる場所をクリエイトする、がコンセプト。

オリジナルブレンドコーヒーとセットの限定小冊子の販売があり、渡辺浩弐松原真琴滝本竜彦西尾維新佐藤友哉北山猛邦の作品が販売された。

8月2日には北山猛邦の限定小冊子『KOBO CAFE殺人事件』を基に、紛失した原稿を探すというミステリーイベントが行われ、北山猛邦以外にも佐藤友哉、乙一などが参加した。

その後KOBOCAFEは、渡辺浩弐の経営する「Kカフェ」として不定期に営業されている[10]

東浩紀のゼロアカ道場

東浩紀のゼロアカ道場」を参照

西島大介のひらめき☆マンガ学校

西島大介のひらめき☆マンガ学校」を参照

ファン倶楽部『KOBO』

2007年1月より1年ごとに会員を募集している。募集要項には「かつてない読者体験を“あなた”にお届けする」と書かれている。ファン倶楽部の始動に当たって、「KOBO宣言文」[11]が、清涼院流水により、講談社BOXファン倶楽部”KOBO”総長として出されている。2010年より無料化されることが告知されている。

特典は、会員証・会報誌『KOBO』(オールカラー32ページ。年2回発行。Vol.00~04まで冊子形式、Vol.05より新聞形式)・バースデイカード・サマーグリーティングカード・会員限定イベントご招待・会員限定プレゼントなど。

太田克史によると、ファンクラブKOBOは、会費の三倍リターンしているという[12]

  • 2007年
    • 講談社BOXメールマガジン「ファンタスティック講談社BOX」2006年vol.1が2006.11.01.0:00に到着。メルマガより、講談社BOXファン倶楽部「KOBO」が2007年1月にスタートしファン倶楽部入会受付が2006.11.01付けでスタート。初年度の会員は5000人限定と決定された。先着5000名に会報誌『KOBO Vol.00』が無料でプレゼントされた。[13]
    • 会員限定プレゼントは、真鍮製の[14]
    • 2007年9月15日、会員限定イベント「講談社BOXファンクラブ(KOBO)総会」が行われた。参加出来たのは、会報誌『KOBO』に載っていた募集に応募した人の中から150人ぐらいだった模様。[15]
  • 2008年
    • KOBO ファンクラブ会員証(番号固定制度に変更)の送付。
    • 会員限定のプレゼントは、総勢13名のイラストレーターによるカレンダー。
    • KOBO CAFE 先行営業に招待。コーヒー代100円割引(会員証提示)。
    • 会員限定イベント「講談社BOXファンクラブ(KOBO)総会」開催。
  • 2009年
    • KOBO総会(8月22日)
会報誌
  • KOBO Vol.00 (2006年12月1日)
  • KOBO Vol.01 (2007年6月1日)
  • KOBO Vol.02 (2007年11月1日)
  • KOBO Vol.03 (2008年5月1日)
  • KOBO Vol.04 (2008年12月18日)
  • KOBO Vol.05 (2009年6月25日) - この号より新聞紙形式に変更
  • KOBO Vol.06 (2010年1月1日)
    • Vo.5,6には講談社BOX新人作家たちの小説が掲載されている。

講談社BOX作品一覧

小説

著者タイトルイラスト備考
あ行
Switch (小説)真(イラストレーター)第2回流水大賞 優秀賞
天原聖海ファイナリスト/M西村キヌ第3回流水大賞 優秀賞
泉和良エレGY泉和良第2回流水大賞 優秀賞
泉和良Spica泉和良
泉和良ヘドロ宇宙モデル泉和良
岩城裕明ようこそ、ロバの目の世界へ。ごり(イラストレーター)第6回流水大賞 優秀賞
ウノサワスバルさよなら彦ウノサワスバル第7回流水大賞 大賞
か行
鏡征爾白の断章第5回流水大賞 大賞
鏡征爾向日葵とRose-Noir
北島行徳428 〜封鎖された渋谷で〜N村原作:チュンソフト、全4巻
黒田研二極限脱出 9時間9人9の扉 オルタナ西村キヌ原作:チュンソフト、シナリオ:打越鋼太郎、上下巻予定
黒乃翔マッドドリーム・アンド・マジカルワールドN村第3回流水大賞 優秀賞
小仙波貴幸鬼灰買いの佐平治一橋真
小柳粒男くうそうノンフィク日和長月みそか第1回流水大賞 優秀賞
小柳粒男りべんじゃー小戦争 ~まち封鎖長月みそか
小柳粒男ゲンソウ現実日和長月みそか
さ・た行
定金伸治四方世界の王記伊孝大河ノベル2009(既刊4巻、全12巻予定)
島田荘司島田荘司 very BEST10※2冊組
島田荘司Classical Fantasy Within士郎正宗大河ノベル2008(既刊7巻、全12巻予定)
至道流星雷撃☆SSガールMAMI (イラストレーター)第7回流水大賞 大賞
至道流星雷撃☆SSガールMAMI
杉山幌R・I・P レスト・イン・ピース第7回流水大賞 大賞
清涼院流水成功学キャラ教授 4000万円トクする話西島大介※実用書風の小説。創刊ラインナップのうちの1冊
清涼院流水パーフェクト・ワールド What a perfect world!梅吉大河ノベル2007(全12巻)
な行
奈須きのこDDDこやまひろかず既刊2巻、全4巻予定
西尾維新化物語VOFAN上下巻。上巻は創刊ラインナップのうちの1冊
西尾維新傷物語VOFAN全1巻
西尾維新偽物語VOFAN上下巻
西尾維新刀語大河ノベル2007(全12巻)
西尾維新真庭語既刊1巻、複数巻刊行予定
法月綸太郎ノーカット版 密閉教室※ハードカバーで刊行されたものの再刊
は・ま行
針谷卓史花散里 (小説)撫子凛
針谷卓史針谷の短編集撫子凛
福井晴敏∀ガンダム 月に繭 地には果実安田朗※再刊。原作:矢立肇富野由悠季。上下巻
舞城王太郎SPEEDBOY!舞城王太郎創刊ラインナップのうちの1冊
円居挽丸太町ルヴォワール純(イラストレーター)
や・ら・わ行
ゆずはらとしゆき空想東京百景toi8※漫画も収録
吉田アミ雪ちゃんの言うことは、絶対。ロクニシコージ
竜騎士07ひぐらしのなく頃にともひ全7巻
竜騎士07ひぐらしのなく頃に 解ともひ全9巻
竜騎士07ひぐらしのなく頃に 礼ともひ全1巻
竜騎士07うみねこのなく頃にともひ既刊4巻、複数巻刊行予定
渡辺浩弐IKILL ィキル
渡辺浩弐2999年のゲーム・キッズ 完全版DXTAGRO※再刊。漫画も収録

漫画

2009年4月の安達哲『幸せのひこうき雲』以降、銀の箱に入った形態では漫画は刊行されていない。2009年12月より、漫画はKCデラックスとして刊行されている。

再刊作品の場合は、初刊行年を示す。

著者タイトル初刊行年備考
日本の作品
安達哲さくらの唄1991年上下巻。上巻は創刊ラインナップのうちの1冊
安達哲幸せのひこうき雲1998年
ウエダハジメフリクリ2000年、2001年原作:GAINAX、上下巻
TAGROマフィアとルアー2002年
箸井地図名探偵夢水清志郎事件ノート そして五人がいなくなる初刊行原作:はやみねかおる
松本剛甘い水2003年原案協力:板垣久生、上下巻
松本剛すみれの花咲く頃1991年
松本剛北京的夏1993年原作:ファンキー末吉
やまさきもへじ少年名探偵 虹北恭助の冒険 高校編2003年原作:はやみねかおる
吉原基貴U-31 完全版2003年、2004年原作:綱本将也、上下巻。小説も収録
ロクニシコージこぐまレンサ2004年
翻訳作品
フレッド・ギャラガーメガトーキョー初刊行アメリカでは初刊2003年。翻訳:椎名ゆかり。既刊1巻、複数巻刊行予定

批評

著者タイトル備考
東浩紀文学環境論集 東浩紀コレクションL※2冊組
東浩紀情報環境論集 東浩紀コレクションS
東浩紀批評の精神分析 東浩紀コレクションDイラスト:西島大介
渡辺浩弐ひらきこもりのすすめ2. 0※再刊。イラスト:西島大介
講談社BOX編、道場主:東浩紀東浩紀のゼロアカ道場 伝説の「文学フリマ」決戦文学フリマで販売された同人誌の再録

その他

上記の小説・漫画・批評は銀の箱だか、以下のものは黒い箱に入っている。

その他の刊行作品

講談社BOXピース作品一覧

小説
批評

KCデラックスから刊行の漫画作品

その他担当作品一覧

注釈

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外部リンク

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