松永幹夫

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ファレノプシスに騎乗(2000年11月12日・第25回エリザベス女王杯〈京都競馬場〉)
ファレノプシスに騎乗
(2000年11月12日・第25回エリザベス女王杯京都競馬場〉)

松永 幹夫(まつなが みきお、1967年4月10日 - )とは日本中央競馬会(JRA)の元騎手で、現在は調教師である。血液型はO型、熊本県合志市(旧・菊池郡西合志町)出身。

童顔で甘いマスクを持ち、デビュー直後から女性ファンが多くついた。いわゆるアイドル視される騎手のはしりで、競馬場に多くの若い女性が訪れるきっかけともなった。名前をもじってミッキーという愛称でも呼ばれる。

目次

来歴

騎手

JRAの競馬学校の第2期生。同期には横山典弘熊沢重文らがいる。1986年にデビューし、引退するまで山本正司厩舎に所属した。

初騎乗は1986年3月1日阪神競馬第1競走のインターアビリティで13頭立ての12着だった。初勝利は同年3月23日、阪神競馬第7競走でツルマイスワローに騎乗してのものであった。重賞初勝利は1988年函館3歳ステークスでサザンビーナスに騎乗して挙げた。1991年にはイソノルーブル優駿牝馬(オークス)を制しGI初勝利。同年12月に香港沙田競馬場で開催された、アジア競馬会議開催記念の騎手招待競走に日本代表として参加し、勝利を飾っている。

また、1989年の暮れに開催されたワールドスーパージョッキーズシリーズに優勝している。毎年夏には北海道札幌競馬場函館競馬場)に遠征し、多くの勝ち鞍を挙げた。1996年ゼネラリストの調教中に落馬事故で腎臓を摘出する重傷を負ったが、復帰後も活躍を続け、1997年には自身最多となる101勝を挙げた。

所属先の山本厩舎が管理する馬にも多く騎乗した。ダートで活躍したカネツフルーヴレギュラーメンバー、素質を認められながら脚部不安で大成し切れなかったマイシンザンメガスターダムなどがそれである。2005年にはヘヴンリーロマンスに騎乗し、天皇賞(秋)を制した。所属厩舎でのJRAGI初勝利、エアグルーヴ以来の牝馬による天皇賞制覇に加え、3連単の配当が100万円を超えるなど、記録ずくめの勝利となった。

2006年度のJRA調教師試験に合格したため38歳の若さで鞭を置くこととなった。現役騎手としての最終騎乗日となった2006年2月26日の第11競走・阪急杯ブルーショットガンに騎乗し、出走馬15頭中単勝11番人気という低評価を覆し勝利[1]。続く最終12競走でもフィールドルージュで勝利。引退レースにてJRA通算1400勝を達成し、有終の美を飾った。この件と天覧競馬での勝利(詳細は後述)から、マスコミはこぞって彼を「競馬の神様に愛された男」と称した。

調教師

2007年2月で引退した師匠の山本の後を継ぎ、3月1日に厩舎を開業。管理馬の初出走は3月4日、阪神競馬第8競走のダノンシャトルで5着。初勝利は同年3月25日中京競馬第7競走のアグネススピリッツで、騎手は松永と同期の横山典弘だった。前後して重賞初挑戦となったフィリーズレビューでハギノルチェーレが3着に入り桜花賞への優先出走権を獲得。開業初年度からGIに管理馬を送り出した。

2009年8月2日、ダンスアジョイが小倉記念に勝ち、馬ともども重賞初制覇。奇しくも騎手時代に重賞勝ちがなかった小倉競馬場での達成となった。同年10月18日レッドディザイア秋華賞で勝利。騎手時代にファビラスラフインで制した競走で、調教師としてのGI初制覇を果たした。

騎手成績

  • JRA通算 12416戦1400勝(うち重賞54勝、GI6勝)
  • 地方競馬通算 191戦32勝(うちGI5勝)

GI競走勝利一覧

勝利したGIと、当該競走における騎乗馬を年度別に記す。JRAGIの優勝は天皇賞(秋)1勝を除きすべて牝馬限定戦である。その天皇賞(秋)についても牝馬による優勝であった。(カッコ内は騎乗馬名。また、斜字は統一GIを指す)

  • 1991年
優駿牝馬(イソノルーブル)
  • 1996年
秋華賞(ファビラスラフイン)
  • 1997年
桜花賞(キョウエイマーチ)
  • 2000年
桜花賞(チアズグレイス)、ダービーグランプリ(レギュラーメンバー)、エリザベス女王杯(ファレノプシス)
  • 2001年
川崎記念(レギュラーメンバー)、JBCクラシック(レギュラーメンバー)
  • 2002年
帝王賞(カネツフルーヴ)
  • 2003年
川崎記念(カネツフルーヴ)
  • 2005年
天皇賞(秋)(ヘヴンリーロマンス)

その他の重賞

中央競馬では小倉競馬場を除く9競馬場で重賞を制覇している。

1989年1月5日スポーツニッポン賞金杯カツトクシンで優勝。これは関西圏の中央競馬では昭和時代最後の重賞であったため、松永は昭和最後の重賞勝利騎手のひとりである[2]

調教師成績

  • JRA通算 633戦45勝(2009年(平成21年)8月14日現在)

主な管理馬

賞詞

  • 関西放送記者クラブ賞(新人騎手賞) - 1986年
  • 優秀騎手賞(勝利度数部門) - 1987年、1989年、1991年、1995年、1997年、2000年
  • 優秀騎手賞(勝率部門) - 1989年、1997年
  • 優秀騎手賞(賞金獲得部門) - 1989年、1997年、2000年
  • フェアプレー賞(関西) - 1987年、1992年〜1994年、1997年〜2001年、2004年
  • 小倉ターフ賞 - 2009年

エピソード

「牝馬の松永」

1996年の落馬事故からの復帰後、第1回秋華賞ファビラスラフインとのコンビで快勝。翌1997年桜花賞ではキョウエイマーチに騎乗し、のちに二冠牝馬となるメジロドーベルを破り優勝。2000年にはチアズグレイスで桜花賞を、ファレノプシスエリザベス女王杯を制した。騎手時代に牝馬限定GIで勝てなかったレースは、2歳GIの阪神ジュベナイルフィリーズのみであった。このように牝馬限定重賞で活躍することが多いため「牝馬の松永(ミキオ)」と呼ばれることがあった。

2005年にはヘヴンリーロマンスに騎乗して天皇賞(秋)を制したが、これは松永自身、牝馬限定競走以外では唯一のJRAGI勝利[3]である。この競走は中央競馬史上初めて天覧競馬として施行されたが、松永は優勝を決めた後、メインスタンドの貴賓席で観戦していた今上天皇皇后に向かい、馬上から[4]ヘルメットを脱いで敬礼をした。レース後、「天皇賞も牝馬で勝ったのが自分らしい」とコメントした。

調教師となってからも、レッドディザイアによる初のGI制覇は、松永らしく牝馬限定競走でのものだった。

その他

  • 牝馬のミッキーと言われているが、実際に「この馬はGIを勝てる」と意識したのは1987年、藤森特別で騎乗し勝利したタマモクロスであるらしい。しかし、その馬は南井克巳主戦騎手だったのであきらめざるを得なかったという。
  • 1995年の天皇賞(秋)において三冠馬ナリタブライアンが復帰することになり、落馬負傷のため騎乗できない主戦の南井克巳に代わっての騎乗を打診された。しかし所属厩舎のマイシンザンが同レースの出走登録をしていたため、そちらを優先して断った。
  • ダートの短距離での逃げ・先行のうまさには定評があった。その反面、腰痛の持病もあり追込脚質の馬を苦手とした。1997年牡馬クラシック三冠で主役を張ったメジロブライトはその典型で、3戦とも単勝人気を下回る着順に終わった。ステイヤーズステークスでは自身のワールドスーパージョッキーズシリーズ出場のために河内洋が騎乗することになり、以降もレースで同馬に騎乗することはなかった。
  • 1997年12月、元モデルの女性との結婚を発表。結婚式の媒酌人は、師匠の山本と親交が深い杉本清夫妻が務めた。武豊とともに子供が生まれない夫婦として知られていたが、2005年に双子が誕生し、父親となった。
  • JRAの調教師試験は競馬関係者にとっても非常に難関な試験として知られる(中には10回以上受験した者もいる)が、わずか1回の受験で合格した。1000勝で調教師試験の一次試験が免除となる規定が廃止された2003年以降、調教師試験を一発合格した1000勝以上の現役騎手は松永が初めてである。騎手引退について本人は「若くて元気のあるうちに調教師になりたかった」と語っているが、2007年に自身の所属する山本正司調教師が定年により厩舎を解散することが決定していたことも大きいといわれている。
  • 騎手として最後の騎乗となった2006年2月26日は、出身地である熊本県西合志町が隣の合志町と合併し合志市となる前日であり、西合志町として最後の日でもあった。
  • 2007年4月22日、第1回ジョッキーマスターズに参戦。イソノルーブルでオークスを勝利したときと同じ勝負服を身につけ、同じくイソノルーブルを彷彿とさせる逃げを見せたが7着に終わった。2008年11月9日に行われた第2回にも出場した。

脚注

  1. ^ 最終騎乗日に重賞に勝ったのは1975年2月16日野平祐二目黒記念カーネルシンボリに騎乗して勝利した例がある。
  2. ^ もうひとりは同日に中山競馬場で行われた日刊スポーツ賞金杯をニシノミラーで優勝した武藤善則である。
  3. ^ ダートグレード競走では、カネツフルーヴ帝王賞川崎記念)、レギュラーメンバーダービーグランプリ川崎記念JBCクラシック)と山本正司厩舎所属の牡馬でGIを勝利している。
  4. ^ 騎乗馬が故障した場合を除き、競走後にコース内で騎手が下馬することは禁止されているため。

関連項目


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