セミキャブオーバー
セミキャブオーバー(Semi cab over)とは自動車における構造上の分類の一つであり、パワートレーン(エンジン + トランスミッション)と運転席の位置関係を示す用語である。ボディー形状の分類ではない事に注意を要する。
目次 |
解説
キャブオーバーは、パワートレーン(エンジン + トランスミッション)の上に運転席(キャビン)が配置されるが、セミキャブオーバーは、パワートレーンの後端上に被さるように運転席(キャビン)が配置され、結果的に足先あたりにパワートレーンが配置されることが大きな違いとなる。
エンジンと運転席(キャビン)の配置は、三菱・パジェロのフレームを用いてキャブオーバーとしたデリカスターワゴンと、セミキャブオーバーとしたデリカスペースギアの比較が理解しやすい。
車体形状的には、パワートレーンに運転席(キャビン)がやや被さる形態になるため、必然的にごく短いボンネットを持つセミボンネットスタイルとなる。さらに乗用車では、発展過程でモノスペースやワンモーションと呼ばれる、滑らかなスタイルが派生した。1990年代以降、FF乗用車のコンポーネンツを流用する車種が増えたことと、消費者の衝突安全に対する関心の高まりから、いわゆるミニバン(ピープルムーバー)においてこの形状が一般的となった。
ミニバンへの過渡期の乗用車や、衝突安全性への対応で車体規格が拡大された軽自動車において、前輪を前方へ移動し短いボンネット(正式にはボンネットではない)を持つキャブオーバーの車種を、セミボンネットスタイルであることからセミキャブオーバーに分類する混乱を生じている。
また、セミボンネットスタイルのアンダーフロア式ミッドシップの車種においても同様の混乱を生じている。
キャブオーバーと比較したメリット
- 前方のエンジンルームを衝撃吸収エリアに組み込んだ場合、衝突安全性で多少有利。
- 前席足元にタイヤハウスがある車種では、タイヤと乗員の位置関係上、乗り心地で多少有利。
- 全長に対し、ホイールベースを長く取れるため、直進安定性で有利。
キャブオーバーと比較したデメリット
- ボンネットがあるため、平面構成上のスペース効率で劣る。
- 前席足元にタイヤハウスがある車種では、前席の足元空間が狭くなる。特に右ハンドルの運転席ではペダルオフセットやA・Bペダル高さの問題がある。
- 前輪が前出しされた車種ではホイールベースが長くなるため、同じ車体寸法のキャブオーバー型に比べ、最小回転半径が大きくなる。
セミキャブオーバーの例
乗用車
- トヨタ・エスティマ(初代、エンジンを75度傾けたミッドシップエンジン)
- 日産・ラルゴ
- 日産・セレナ(初代)
- マツダ・ボンゴフレンディ
商用車
- トヨタ・ダイナ(初代 - 3代目)
- トヨタ・トヨエース(初代 - 3代目)
- トヨタ・タウンエース(4代目)/ライトエース(6代目)
- 日産・キャブライト(初代 - 2代目)
- 日産・キャブスター(初代)
- ダイハツ・ベスタ vシリーズ(初代 - 2代目)
- ダイハツ・デルタ(初代)
- いすゞ・エルフFFマイパック
- いすゞ・フォワード(初代)
軽自動車
- スズキ・エブリイワゴン/エブリイ、キャリイ(FCシリーズを除く)
- ダイハツ・アトレー/ハイゼット(ハイゼットはカーゴのみ)
- ホンダ・バモス/バモスホビオ/アクティ(トラックを除く)
- 三菱・タウンボックス/ミニキャブ
- 日産・クリッパー(三菱・ミニキャブのOEM)
- マツダ・スクラム(スズキ・エブリィのOEM)
関連項目
カテゴリ: 独自研究の除去が必要な記事 | 自動車関連のスタブ項目 | 自動車の形態 | 乗用車のボディスタイル
