近畿地方
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| 近畿地方のデータ | ||
| (三重県を除いた)2府4県の合計 | ||
| 面積 | 27,335.11km² | |
| 総人口 | 20,446'316人 (2010年5月1日) | |
| 人口密度 | 765.4人/km² (2005年3月31日) | |
| 位置 | ||
近畿地方(きんきちほう)とは、本州中西部に位置する日本の地域である。かつての畿内とその周辺地域から構成される。関東地方に対して、関西(かんさい)とも呼ばれる。飛鳥から平安京まで歴代の王城の地であり、日本の伝統的な歴史・文化・産業の拠点であった。関東地方に中心が移った現在も、日本第二の都市圏であり、西日本の中核である。
目次 |
範囲
近畿地方にどの府県を含めるかについては、次のような例がある。
- 2府5県 - 滋賀県、京都府、奈良県、三重県、和歌山県、大阪府、兵庫県
- (国定教科書『小學地理』での順番)

- 2府6県 - 2府3県(奈良県を含まない)+三重県+徳島県+鳥取県 +4政令市
- 上海万博(ベストシティ実践区>共同館>大阪館)における关西(たとえば徳島県の阿波踊りやLEDが関西の魅力として紹介されている)
- 2府8県 - 2府4県+三重県+福井県+徳島県+鳥取県
- 近畿高等学校総合文化祭
- 近畿ブロック知事会(2008年6月以降)
- 関西広域機構
※以下、特に断りのない場合は「2府4県」を近畿地方として扱う。三重県については東海地方の項を、福井県については北陸地方の項を参照のこと。
※三重県については、特に北中部(北勢・中勢)が中京圏に含まれるため、「中部地方」「近畿地方」で分類する場合は「近畿地方」、「東海地方」「近畿(関西)地方」で分類する場合は「東海地方」で分けられる傾向がある[要出典]。
※福井県については、嶺南地方が1876年から1881年の約4年6か月間滋賀県の一部であった。また現在若狭湾岸は関西電力の原発地帯となっている。
※他地方の類似例として、山梨県、長野県、静岡県(中部地方・首都圏・関東地方)、新潟県(中部地方・東北地方・関東地方)などがある。なお政府が公式に2つの地方に分類している都道府県は三重県と山梨県のみである。
※民間の企業や団体による近畿地方の定義は大抵2府4県が採用されているが、福井県の競輪や競艇の区分や、徳島県の日本マクドナルド社のクォーターパウンダーの販売当時の地域区分などに、2府4県+福井県または徳島県の区分が見られる。いずれも属すべき地方(北陸・四国)の区割りでは、自県以外にその事業が展開されていないがためにその区割りが成立しない場合である。
地理
- 地形
- 海:瀬戸内海(紀伊水道、和歌山湾、紀淡海峡、鳴門海峡、大阪湾、明石海峡、播磨灘、相生湾)、太平洋(熊野灘)、日本海(舞鶴湾、若狭湾)
- 島:淡路島、沼島、家島諸島、紀伊大島、友ヶ島、沖島
- 岬:経ヶ岬、田倉崎、日ノ御埼、潮岬
- 半島:紀伊半島、志摩半島、丹後半島
- 平野:大阪平野、播磨平野、和歌山平野、洲本平野、三原平野、伊勢平野
- 盆地:京都盆地、奈良盆地、亀岡盆地、篠山盆地、豊岡盆地、近江盆地、山科盆地、上野盆地
- 山地:伊吹山地、生駒山地、六甲山地、紀伊山地、布引山地、鈴鹿山脈、和泉山脈
- 山:氷ノ山、伊吹山、比叡山、生駒山、八剣山(八経ヶ岳)、大江山、高野山、金剛山、那智山、諭鶴羽山、笠取山
- 河川:北川、由良川、淀川(宇治川、瀬田川)、桂川、木津川、大和川、円山川、加古川、市川、夢前川、揖保川、千種川、紀の川、熊野川、雲出川、宮川、櫛田川
- 谷:瀞峡(瀞八丁、奥瀞)、保津峡、るり渓、瀞川渓谷、蓬莱峡、立雲峡、音水渓谷、天滝渓谷、御手洗渓谷、奇絶峡、玉川峡
- 湖:琵琶湖、余呉湖、阿蘇海
- 温泉:有馬温泉、南紀白浜温泉、南紀勝浦温泉、城崎温泉、湯村温泉、龍神温泉、洲本温泉、榊原温泉、湯の花温泉
- 滝:那智滝、箕面滝、原不動滝、猿尾滝、布引の滝
- 国定公園
- 琵琶湖国定公園(1950年7月24日指定)
- 若狭湾国定公園(1955年6月1日指定)
- 金剛生駒紀泉国定公園(1958年4月10日指定、1996年10月2日改定)
- 高野竜神国定公園(1967年3月23日指定)
- 明治の森箕面国定公園(1967年12月11日指定)
- 鈴鹿国定公園(1968年7月22日指定)
- 氷ノ山後山那岐山国定公園(1969年4月10日指定)
- 室生赤目青山国定公園(1970年12月28日指定)
- 大和青垣国定公園(1970年12月28日指定)
- 丹後天橋立大江山国定公園(2002年8月3日若狭湾国定公園より独立)
人口
| ISO 3166-2 | 都道府県名 | 順位 | 人口 | 割合 |
|---|---|---|---|---|
| JP-25 | 滋賀県 | 31 | 1,366,415 | 1.10% |
| JP-26 | 京都府 | 13 | 2,645,796 | 2.10% |
| JP-27 | 大阪府 | 3 | 8,831,177 | 6.90% |
| JP-28 | 兵庫県 | 8 | 5,588,268 | 4.40% |
| JP-29 | 奈良県 | 29 | 1,434,576 | 1.10% |
| JP-30 | 和歌山県 | 39 | 1,056,050 | 0.80% |
| 20,922,282 | 16.40% |
※順位・人口・割合は2008年3月1日のデータによる。なお、2005年3月31日現在の「住民基本台帳に基づく人口調査結果」(総務省)では、初めて人口が減少に転じ、京都府・大阪府・兵庫府・奈良県の4県を合わせた人口が2004年より0.004%減となっている。
※2006年5月に神奈川県の人口が大阪府の人口を超え、大阪府の人口は第3位となった。
主要都市
近畿二府五県の主要都市を掲載する。
- 姫路市(535,975人)・東大阪市(504,512人)・西宮市(481,911人)・尼崎市(462,180人)・和歌山市(368,901人)・奈良市(365,229人)・高槻市(354,189人)・大津市(334,910人)
- 枚方市(406,815人)・豊中市(388,378人)・吹田市(354,731人)・四日市市(307,027人)・明石市(292,822人)・茨木市(274,593人)・八尾市(271,002人)・加古川市(268,686人)・寝屋川市(238,100人)・宝塚市(225,483人)・岸和田市(199,196人)
- 上記以外の県庁所在地
- 津市(286,339人)
年齢構成
次のグラフは滋賀県・京都府・大阪府・兵庫県・奈良県・和歌山県の人口を合計した。
年齢5歳階級別人口
2004年10月1日現在推計人口
総計 [単位 千人]
| 年齢 | 人口 |
|---|---|
| 0 - 4歳 | |
| 5 - 9 | |
| 10 - 14 | |
| 15 - 19 | |
| 20 - 24 | |
| 25 - 29 | |
| 30 - 34 | |
| 35 - 39 | |
| 40 - 44 | |
| 45 - 49 | |
| 50 - 54 | |
| 55 - 59 | |
| 60 - 64 | |
| 65 - 69 | |
| 70 - 74 | |
| 75 - 79 | |
| 80歳以上 |
年齢5歳階級別人口
2004年10月1日現在推計人口
男女別 [単位 千人]
データ出典:第10表/都道府県, 年齢(5歳階級), 男女別人口-総人口(総務省統計局)
経済
近畿地方(2府4県)の府県内総生産 (GDP) は2004年度で約80兆2990億円で、関東地方に次いで日本で第二の経済圏を構成するが、関東地方(1都6県)のGDPとは約2.5倍の差があり、この差はますます拡大する傾向にある。製造業の多くは大阪府・兵庫県南部(阪神工業地帯)・京都府南部に集中し、その他の地域では農林水産業が盛んである。
2004年度 近畿の府県内総生産 (GDP) (単位:10億円)
| 都道府県名 | 府県内総生産 | 構成比 | 全国比 |
|---|---|---|---|
| 滋賀県 | 5,894 | 7.34% | 1.16% |
| 京都府 | 9,831 | 12.24% | 1.93% |
| 大阪府 | 38,680 | 48.16% | 7.61% |
| 兵庫県 | 18,709 | 23.30% | 3.68% |
| 奈良県 | 3,775 | 4.70% | 0.74% |
| 和歌山県 | 3,411 | 4.25% | 0.67% |
| 2府4県総計 | 80,299 | 100.00% | 15.79% |
| 全国 | 508,411 | - | 100.00% |
※データ出典:内閣府「平成16年度県民経済計算年報」
地域区分
気象予報・経済情勢・交通体系などにおいては、大まかに北部(日本海側)、中部、南部(太平洋側)と3分割されることが多い。明確な境界線はないものの、兵庫県の中国山地から京都府の丹波山地を経て滋賀県の鈴鹿山脈北部に至るラインと、中央構造線と言われる和歌山県の紀ノ川河口付近から奈良県の紀伊山地北部を経て三重県の志摩半島に至るラインにより区分される。
- 北部(日本海側):兵庫県北部、京都府北部、滋賀県北部
- 中部:大阪府、兵庫県南部、京都府南部、滋賀県南部、奈良県北部、和歌山県北部
- 南部(太平洋側):奈良県南部、和歌山県南部
観光や地域経済では「京阪神」「北近畿」「南紀」という表現がある。[要出典]これは一般的な北部・中部・南部の概念とは異なり、またそのエリアは限定されておらず使用状況によって変化する。
- 京阪神(近畿圏):大阪府(大阪市・北摂・河内)、兵庫県南部(神戸市・阪神)、京都府南部(京都市・山城・南丹)
- 北近畿:兵庫県北部、京都府北部。福井県南部(嶺南)を含めることもある。
- 南紀:和歌山県南部、三重県南部。[要出典]
- 気象情報における地域区分
- 北部(日本海側):京都府北部、兵庫県北部、滋賀県北部※(寒候期は北部、暖候期は中部)
- 中部(太平洋側):京都府南部、兵庫県南部、滋賀県南部、大阪府、奈良県北部、和歌山県北部
- 南部(太平洋側):奈良県南部、和歌山県南部
名称
近畿地方を指す言葉としては、「近畿」のほかに「上方」「関西」などがある。
「近畿」とは「都に近い地域」すなわち「首都圏」という語義を持つ。よく似た語として韓国の「京畿」が挙げられる。初めて「近畿」の語が公的に用いられたのは明治36(1903)年の国定教科書『小學地理』からである。古代律令制における広域行政区画「畿内」に由来し、そのルーツは大化改新で難波長柄豊崎宮(現在の大阪市)に遷都があった際に都の圏域を「内畿国」(うちつくに)と呼んだことに求められる。そのため狭義の「近畿」としては畿内のみを指すと言えるが、それとは逆に畿内を除いた範囲を指すとする学者もいる。
「関西」とは「関東」と対置する語で、昨今のように大阪を中心とする地域を「関西」と呼ぶようになったのは江戸時代以降、とりわけ江戸(東京)遷都以後の近代からのことである(詳しくは関西#日本を参照)。現在の「関西」の用法は江戸・東京視点から生まれたものであり、近畿地方の住民には「関西」を好まない者もいる[要出典]。
傾向としては、行政機関では「近畿」、メディアなど民間の業界では「関西」の名称を使うことが多い。また英語圏ではKinkiが“Kinky”(よじれた、異常な、変態の、などの意)と間違われる恐れがあるため、国外向けにはKansaiの使用が好まれる。
- 「近畿」を称するもの - 近畿で始まる記事の一覧、Kinki Kids、競馬キンキ、北近畿タンゴ鉄道など
- 「関西」を称するもの - 関西で始まる記事の一覧、ラジオ関西、NTTドコモ関西、スルッとKANSAIなど
歴史
「京阪神#歴史」、「奈良県#歴史」、「京都府#歴史」、「大阪府#歴史」、「兵庫県#歴史」、「滋賀県#歴史」、および「和歌山県#歴史」も参照
古くからの日本の中心地及び先進地として、近畿地方は日本史の中で大きなウエイトを占める。
先史時代
弥生時代前期の畿内には、目立った政治勢力はまだそれほど成立していなかったと考えられている。当時の畿内に特徴的なのが、方形に区画するように溝を掘って作られた方形周溝墓である。
弥生時代後期になると、奈良盆地東南部に大規模な集落が出現した(纏向遺跡)。この遺跡からは、日本列島各地から流通してきたと思われる土器が非常に多数発見されており、また王宮跡と見られる大規模な遺構も見つかっていることから、弥生時代後期の倭の中心的な都市の一つだったと考えられている。魏志倭人伝に登場する邪馬台国の有力な候補地ともされている。
近畿地方中部にはヤマト王権が3世紀中葉に成立し、古墳時代が始まると、ヤマト王権は倭国を代表する政治勢力として成長していった。ヤマト王権の王(大王)は代々奈良盆地や河内平野に王宮を営み、また同地には王族や豪族たちの古墳が多数築かれた。和泉国の大山古墳(堺市)は仁徳天皇の墓と伝承されており、世界最大の規模を誇る。
古代
古墳時代が終わる6世紀中期頃から、王宮が奈良盆地南部の飛鳥に代々営まれるようになった。そのため古墳時代に続く時代区分を飛鳥時代という。古墳時代後期から中国大陸や百済などからの渡来人が多数来朝しており、その多くは飛鳥時代に奈良盆地や河内平野など畿内近国に定着して帰化した。
645年に乙巳の変で蘇我入鹿が宮中で暗殺されると、孝徳天皇により大化の改新が行われ、飛鳥から難波長柄豊埼宮(大阪市)への遷都が実施された。その後、天智天皇が政権を握ると、667年に大津京(大津市)への遷都が行われた。
672年には天智天皇の後継者争いから壬申の乱が勃発した。この古代最大の内乱は畿内を舞台に行われ、これに勝利した大海人皇子(天武天皇)は飛鳥浄御原宮(明日香村)に遷都し、中央集権的な国家造りに取り組んだ。天武後継の持統天皇が奈良盆地南部に営んだ藤原京は、日本史上最初の都城である。
701年に大宝律令が施行され、律令制が本格的に導入され始めた。律令制の地域区分である五畿七道によれば、大和国・山城国・摂津国・河内国・和泉国の5国が五畿(畿内)とされたほか、丹波国・丹後国・但馬国が山陰道に、播磨国が山陽道に、紀伊国・淡路国が南海道に、伊賀国、伊勢国が東海道に、近江国が東山道にそれぞれ区分されていた。
710年には平城京(奈良市)への遷都が行われ、以後を奈良時代という。平城京には10万人が在住したと推定されており、突如として出現した日本最初の大都市であった。
8世紀後期になると、桓武天皇によって長岡京そして平安京(京都市)への遷都が相次いで実施された。この平安遷都(794年)から1192年までを平安時代という。平安後期には平清盛が福原京(神戸市)を計画した。
平安時代を通じて、畿内近国は朝廷の統治が比較的及びやすい地域だった。例えば、9世紀後期には諸官庁の経費をまかなうための官田が畿内に4000町設定されたほか、他の地域で次第に実施されなくなった班田が畿内諸国では10世紀まで継続した。平安中期に名田制が登場すると、名田の面積を均等化した均等名が多く見られた。平安後期の荘園公領制の形成過程では、他地域よりも荘園の増加がいち早く進行した。
中世
鎌倉時代には武士による荘園・公領への侵出が著しくなったが、多くの権門(有力貴族や有力寺社)の権利が複雑に入り組む荘園・公領が汎在する畿内近国では、武士の侵出は他地域ほどとはならなかった。収入の増加を目論む権門は中国由来の農業技術や新たな農業技術の導入に努め、畿内は農業技術の先進地域となった。例えば、畿内では鎌倉時代までに早くも二毛作が実施されていた。
また一方では、商人・職人らが商業上・生産上の特権を得るために、有力寺社の神人となったり、天皇に奉仕する供御人となる動きが顕著に見られた。こうした神人・供御人らは獲得した特権を背景として座とよばれる同盟を結成し、畿内のみならず他地域に渡る広範な交易活動を展開した。
農業生産の向上と交易活動の広域化は鎌倉中期ごろから進展していき、畿内を中心に流通の活発化、銭貨の普及、そして社会の流動化をもたらすこととなった。従来の荘園領主・武士層とは異なる階層が急速に経済力・政治力を持ち始め、彼らは悪党と呼ばれた。後醍醐天皇の倒幕運動に呼応した楠木正成も悪党の一人だったと考えられている。
悪党の台頭は社会構造の流動化を加速させ、従来は荘園領主・国衙・武士に支配されるのみであった村落が、自検断権を持ち領主と対等に交渉しうる惣村へと発達した。室町時代当時、惣村だけではなく、神人・供御人として広範な商業活動を行っていた土倉・馬借らや、在地武士層である国人らも高い自立性を有していた。その帰結の一つとして、15世紀前期から土一揆・徳政一揆・惣国一揆が発生した。こうした自立性・自主性の高さから、戦国時代になっても他地域のように戦国大名による一円的な支配は行われず、織田信長・豊臣秀吉の出現を待つことになる。
南北朝以降勘合貿易や南蛮貿易の拠点であった堺は、会合衆と呼ばれた有力商人らによる自治都市として栄え、「東洋のベニス」とも称された。しかし織田信長・豊臣秀吉の支配下で都市は解体され、商人の多くは大坂へ移住させられた。
近世
江戸時代になり政治の中心は江戸へ移ったものの、京と大坂を中心とする「上方」は依然文化・経済の先進地域として繁栄した。西廻り航路を通じて日本海沿岸から瀬戸内海沿岸の物資が集積する大坂は「天下の台所」と呼ばれる日本最大の商都に成長し、その経済力を背景に元禄文化が開花する。井原西鶴や近松門左衛門、坂田藤十郎などがその代表的人物である。また伊勢国と近江国からは有能な商人が輩出され、「伊勢商人」「近江商人」として名を馳せた。
江戸中期になると文化・経済の重心が次第に江戸へ移り始める。江戸町人と上方町人との間で文化対立意識が生じるようになり、ステレオタイプな「関西人」(当時の呼称は「上方者」)像が形成され始める。また大坂を中心とする地域が「関西」と呼ばれるようになるのもこの頃からである。
近畿地方における有力な藩としては、徳川御三家の紀州藩(紀州徳川家、56万石)や彦根藩(井伊家、35万石)や姫路藩(池田家、52万石)などがあった。紀州藩は西日本の鎮として睨みを利かせ、彦根藩は中山道沿線を領地として京都に対する備えとして、姫路藩は瀬戸内海に面する山陽道沿いを領地とし西国に対する備えとして、配置されていた。3藩とも幕府にとって重要な存在であったため、居城の和歌山城と彦根城と姫路城は大きな規模を誇っている。
幕末には京都が維新に向けた重要な舞台となり、二条城で大政奉還が行われた。
近現代
明治維新を迎えると、天皇は京都御所を出て江戸に移ることとなった(東京行幸・東京奠都)。江戸は東京と改名され、国家機関も東京に置かれた。人材・産業の流出など畿内では衰亡の危機との危惧論も出されたが、1897年の京都帝国大学(現京都大学)の創立を初めとして、文化の拠点として復興が行われた。大阪に改称された大坂は、一時は大名貸しの破綻による経済後退もあったが、引き続き経済と工業の中心地となった。幕末に海軍操練所が置かれて維新直前に開港した神戸は明治20年代末には東洋最大の港湾都市へと発展する。
廃藩置県では、一時堺県・大阪府に統合された奈良県が1887年に再分割された時点で、現在の大阪府、京都府、兵庫県、和歌山県、奈良県、滋賀県、三重県の枠組みが形成された。1876年8月から1881年2月まで嶺南地方(現在の福井県南部)が滋賀県に編入されたこともあった。
交通面では、近畿地方各地を結ぶ鉄道が官民両者によって建設されるが、京阪神の都市間では電鉄会社が中心となって鉄道整備や多角化事業を活発に競い合い、近畿地方は長年「私鉄王国」と呼ばれることとなった。軍事面では、日本海沿岸の舞鶴に海軍の拠点(舞鶴鎮守府)が置かれた。
明治20年代末以降は京阪神に富裕層が集まり、関東大震災による東京の衰退もあって、昭和初期まで東京に並ぶ日本の文化・経済の拠点として多くの文化人・経済人を輩出した(阪神間モダニズム)。しかし昭和10年代に戦時体制がとられてからは有力企業や資本家の東京への移動が始まる。
第二次世界大戦の戦災を受けるも、高度経済成長期には1963年7月に名神高速道路が開通、1964年10月に東海道新幹線が開通し、1970年に日本万国博覧会(大阪万博)が開かれ、1970年代に神戸港が世界一のコンテナ港となるなど復興を遂げた。南関東に次ぐ日本第2の経済圏を形成するが、オイルショックやバブル崩壊、阪神・淡路大震災などの影響や近年顕著化している東京への一極集中や中京圏の躍進などによって近畿地方の経済地位の衰退が発生している。
参考文献
- 網野善彦、『日本社会の歴史(上)・(中)・(下)』、岩波新書
文化
近畿地方は古くは日本文化の中心として活発な文化活動が行われ、数多くの伝統芸能や文化財が継承されている。そのため、国宝・重要文化財の約6割、人間国宝の約3割、日本の世界文化遺産の11件中5件(法隆寺地域の仏教建造物・姫路城・古都京都の文化財・古都奈良の文化財・紀伊山地の霊場と参詣道)が国土面積7%の近畿地方に集中している。ことに京都や奈良は古都として名高く、国内外から多くの観光客を集める。
江戸時代、上方は町人層を中心に発展し、豊かな経済力を背景に元禄文化(上方文化)が花開いた。大衆演芸が活発に行われ、上方歌舞伎や文楽、上方落語などが生まれた。近代には漫才が発達し、大阪はお笑いの一大拠点となった。
町人主体の地域柄、大坂では合理主義的でイラチ(せっかち)で実と本音を重んじる気風が育まれた。これは理想主義的で名と建前を重んじる武士主体の江戸のそれとは対照的なものであった。そのため大阪の気風は江戸・東京側から特異なものとして誇張して捉えられ、また近畿地方全体がそうした大阪のイメージで一括りにされることがよくある。ステレオタイプな大阪・関西像についてはこちらも参照。
年中行事
- 正月 - 雑煮は白味噌仕立てに丸餅が主流。初詣は例年伏見稲荷神社・住吉大社・生田神社が人気。
- 十日えびす(1月10日ごろ) - 西宮神社の「福男選び」が有名。
- 若草山山焼き(1月中旬)
- 節分 - 恵方巻の風習がある(戦前に始まったとも言われる)。
- 東大寺のお水取り(3月上旬) - 「お松明」とも。関西に春の訪れを告げる行事。
- 雛祭り - 古式に則り、男雛を右側に飾る。
- 十三詣り(4月13日)
- 納涼床(5月〜9月)
- PL花火(8月1日) - 世界最大級の花火大会で、信者以外にも大勢の見物客が集まる。
- 大阪三大夏祭り - 愛染まつり・天神祭・住吉祭
- なら燈花会(8月上旬)
- 五山送り火(8月16日)
- 地蔵盆(8月下旬)
- 地車(だんじり)(9月ごろ)
- 播州の秋祭り、灘のけんか祭り(10月14・15日)
- 鞍馬の火祭(10月22日)
- えびす講(10月下旬または11月下旬)
- 正倉院展(10月下旬~11月上旬)
- 大根焚き(12月上旬ごろ)
- 神戸ルミナリエ(12月中旬)
- 春日若宮おん祭(12月17・18日)
- 京都三大祭り - 葵祭(5月)・祇園祭(7月)・時代祭(10月)
食文化
「:Category:近畿地方の食文化」および「日本料理#関西料理」も参照
近畿地方の伝統的な食文化の特徴はダシの旨みが好まれることである。北前船によって蝦夷地から大量にもたらされた昆布、播磨国龍野で考案されたうすくち醤油、白味噌が伝統的に多用される。盆地で新鮮な海産物に恵まれなかった京都では京野菜や乾物を活かした京料理が発達し、また大阪は海運を通じて食材の集積地となった歴史などから「大阪の食い倒れ」とも称される。現代ではソースを使うたこ焼きやお好み焼きなどのこなもんと呼ばれるB級グルメもよく知られる。
蕎麦対うどん、鰻の蒲焼の違い、江戸前握り寿司と関西寿司、桜餅の違い、飲食物の名称など、東京との食文化の違いがよく比較される。東西で名称が異なるものには「お造り」「関東煮」「フレッシュ」「サンライズ(神戸など)」「ぜんざい」「たぬき(大阪と京都でも違いがある)」「豚まん」「飛竜頭」「レーコー」「冷麺」などがある。
そのほかの近畿地方の食文化の特色としては、但馬牛・神戸牛・近江牛・松阪牛といった和牛の産地であり牛肉が好まれることや、灘五郷や伏見など伝統的な日本酒の一大産地であること、大津市・京都市・神戸市を筆頭にパンの消費が高いことなどが挙げられる。また、意外なことであるが、名古屋めしの代表格とされる味噌かつや天むすは、三重県津市が発祥の地である。
方言
詳細は「近畿方言」を参照
いわゆる「関西弁」は京言葉を中心に発展した。江戸時代に江戸言葉が台頭するまで事実上の共通語であった[5]。現在も東京方言に次ぐ勢力を持ち、特に大阪弁は漫才を通じて全国的に知名度が高い。しかし共通語の影響から伝統的な方言は衰退しつつあり、また近畿地方各地の様々な方言が関西共通語とも言うべきものに均質化する傾向がある。
教育
スポーツ
- V・プレミアリーグ
- サントリーサンバーズ(男子)
- パナソニック・パンサーズ(男子)
- 堺ブレイザーズ(男子)
- 東レ・アローズ(女子)
- JTマーヴェラス(女子)
- 久光製薬スプリングス(女子)
- 日本フットサルリーグ(Fリーグ)
- 主な競技場
交通
交通史
畿内は、古代から日本の政治的中心であり続けた地域であり、律令時代には畿内を中心とした放射状交通網(東方の東海道、北東の東山道、北方の北陸道、北西の山陰道、西方の山陽道、南方の南海道)が整備された。
江戸時代になると、京都を中心にして、東には東海道と中山道(途中、草津宿で分岐)が、西には西国街道が整備された。
明治時代になると、大阪(点)を中心にした放射状交通網が整備され、現在に至っている。
幹線交通網
明治以後の近畿地方の交通網は、概ね大阪を中心にした放射状幹線が整備されている。幹線ルートは、東海道・中山道ルート、北陸道ルート、南紀ルート、四国ルート、山陽道ルート、山陰道ルートに大きく分けられる。
日本海側では、福知山市を中心として、京阪神を経由せずに北陸地方から山陰地方に抜けるルートが整備・計画されている。
鉄道
近畿地方の中心は平野が細長い地形であり、散在する各中心都市間を結ぶ性格も併せて、同じ方向に2つ以上の事業者の路線が並行したり、近接していることが多い。これらの都市間及び近郊からの通勤利用が多く、京阪神圏は東京圏に次ぐ運行本数・利用者数となっている。
近畿地方外からの長距離需要としては主として、中部・関東方面を結ぶ東海道新幹線、中国・九州方面を結ぶ山陽新幹線、名古屋方面を結ぶ近畿日本鉄道の名阪特急などがある。
- 東海旅客鉄道(JR東海)
- 西日本旅客鉄道(JR西日本)
- 中小私鉄・第三セクター鉄道
道路
「近畿地方の道路一覧」も参照
- 主な幹線道路
- 名神高速道路・新名神高速道路・京滋バイパス・国道1号・国道21号
- 北陸自動車道・国道8号
- 琵琶湖西縦貫道路・国道161号
- 東名阪自動車道・名阪国道・西名阪自動車道・近畿自動車道・国道25号
- 阪和自動車道・紀勢自動車道・伊勢自動車道・国道26号・国道42号・国道23号
- 京奈和自動車道・国道24号
- 阪奈道路・第二阪奈道路・国道308号
- 阪神高速道路
- 神戸淡路鳴門自動車道・国道28号
- 第二神明道路・加古川バイパス・姫路バイパス・太子竜野バイパス・明姫幹線・国道2号・国道250号
- 中国自動車道・山陽自動車道
- 姫路西バイパス・中国横断自動車道姫路鳥取線・国道29号
- 京都縦貫自動車道・国道9号
- 舞鶴若狭自動車道・三木小野バイパス・国道27号・国道175号・国道176号
- 北近畿豊岡自動車道
- 五條新宮道路・国道168号
- 播但連絡道路・国道312号
- 国道171号
空港
港湾
マスメディア
「関西ローカル」も参照
新聞
放送
近畿2府4県では、広域放送の近畿広域圏とされており(三重県は中京広域圏)、加えて県域局と独立UHF放送局がある。
ラジオ
- 中波放送
- 近畿6府県を放送対象地域とする放送局(系列)
- 大阪府・兵庫県・奈良県・和歌山県を放送対象地域とする準県域放送
- 県域放送
- 超短波放送(NHKは全て県域放送)
- 県域民間放送
- 外国語放送
- 関西インターメディア(FM COCOLO)(MegaNet)
テレビ
- 県域放送
- 区域外受信(民間放送局)
| 近畿地方のテレビ局 | |
|---|---|
| デジタル放送チャンネルID順 (NHKは総合テレビのみ) | |
| NHK(公共放送) | 大津1 / 京都1 / 大阪1 / 神戸1 / 奈良1 / 和歌山1 |
| 民放・近畿広域放送 (準キー局・在阪放送局) | MBS毎日放送4 | ABC朝日放送6 | KTV関西テレビ8 | YTV読売テレビ10 |
| 府県域放送 | 【滋賀県】BBCびわ湖放送3 | 【京都府】KBS京都5 | 【大阪府】TVOテレビ大阪7 | 【兵庫県】SUNサンテレビ3 | 【奈良県】TVN奈良テレビ9 | 【和歌山県】WTVテレビ和歌山5 |
| 北海道 | 東北 | 関東 | 中部(甲信越・静岡) | 中部(東海) | 中部(北陸) | 近畿 | 中国・四国 | 九州・沖縄 | |
脚注
関連項目
- 関西経済連合会
- 関西経済同友会
- 近畿地方の難読地名一覧
- 近畿の史跡一覧
- 副首都構想(大阪国際空港を廃止し、その跡地に副首都を造る構想)
- 日本の道州制論議#近畿地方
- ジョウト地方
| 北日本 |
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|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 東日本 (狭義) |
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| 中日本 |
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| 西日本 (狭義) |
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| 南日本 |
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