電柱
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電柱(でんちゅう)とは、地上に架設された電線・ケーブル類を支持する、柱状の工作物。
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概要
電柱には電力会社が送電・配電を目的に設置する電力柱(でんりょくちゅう)、通信会社が通信用ケーブルを支持することを目的に設置する電信柱(でんしんばしら)、共用の共用柱(きょうようちゅう)(←共架とも言う)などがある。
今日では電線や電話線の支持用としての印象が強いが、初期には電気通信用の電線の支持用に日本全国に普及したことから電信柱と呼ばれることも多い。 最近では電線類地中化により、市街地中心部分では撤去作業が進んでいる。
また電線ケーブルの端末となる電柱には、電柱が電線ケーブル張力で倒れないように、支線(地面へ斜めにワイヤ固定)又は支柱(斜めに柱を入れて支える)あるいは支線柱(近くの土地に柱を立てて、互いをワイヤで繋いで支える)が設置されている。
目的
電柱の目的として、次のようなものがある。
- 送電線・配電線による電力の供給
- 電話線、光ケーブル、ケーブルテレビ等の通信線路
- 街路灯
- 交通信号機
- 交通標識
- 無線の中継局、基地局
- その付近を避雷するためだけのもの。(→無目的な電柱参照)
- 路面電車の架線支持
- 電柱広告
電力供給用の設備
電力供給を目的として電柱に取り付けられている設備には次のようなものがある。
- 電線
- 柱上変圧器
- 開閉器
- がいし
- 避雷器
- カットアウト(異常電流を遮断する機器、ブレーカーとも呼ばれる。ヒューズが用いられることが多い)
- 接続箱
- 腕金(うでがね)
- 自在バンド(電柱本体に巻きつけ、支線などを接続する)
- 架空地線
- その他装柱
形状
電柱は従来木製のものが多く、電柱材用のスギ品種である「ボカスギ」の栽培が富山県で盛んに行われていたが、昭和初期ごろから耐久性や耐火性に優れたコンクリート製の電柱が製造されはじめ、現在ではこれが主流となっている。
コンクリート柱はコン柱(コンちゅう)と略称される。現存する最古のコンクリート製の電柱は、函館市末広町にある1923年10月に函館水電(現在の北海道電力)によって建てられた四角錐形のものである。 この他にも鋼管柱や鋼管組立柱などがある。
木製電柱には十分な防腐剤処理がされていることに着目して、使用済みの木製電柱を回収し、ガーデニングやオブジェ用として販売している業者がある。
電柱には昇り降りをするための足場となるボルトが一定間隔で設けられている。電柱を伝って高層階に侵入する泥棒も少なくないと言われている。
日本国内の電信柱での送電配電電圧
高い電圧から(標準的) 送電区間 22,000v(山間部の需要が少ない送電鉄塔の必要としない地域) 配電区間6,600v-3,000v(三相高圧配電線) 400v(新しい配電線) 100v-200v(低圧配電線) 一部の平野部・山間部・港湾部では22kv-66kv送電線が6,6kv高圧配電線の上に架けられている電柱を見ることができる。 低圧配電線は東京電力は三相五線式だが、北海道電力や東北電力などでは三相四線式を採用している。
設置
電柱1本あたりの価格は8メートルのコンクリート製電柱の場合、約22,000円(参考)である。通常は競争入札方式による調達のため価格は一概に言えない。
電柱の下部には鉄製の足場が取り付けられており、全長の6分の1ほどを地中に埋設することで設置する。電柱の設置間隔は一般的に約30メートルともいわれるが、あくまで目安である。地形などにより、あるいは設置後に移動することがあり必ずしも一定していない。
電柱の所有権は敷設者である電力会社、通信会社などにある。所有者はプレートなどで標示されており、同じ電柱に複数の事業者の管理番号表示がある場合、東京電力の例では、最も地面に近いところに標示のある事業者が所有者である。逆に、管理番号表示で共架または共と記載のある事業者は自社の所有物でない電柱である。また、柱上変圧器が設置されている電柱は、電力会社の所有物であることが多い。
都市部など密集した地域では、電力会社と通信会社が相互に、同じ電柱を利用する場合が多く、これに加えて、自治体の管理する街路灯も併設してあるケースも多い。
基本的に、電柱に電線・通信回線などのケーブルを架設する場合は、電柱の所有者の事前許可が必要であり、ケーブルを敷設する事業者は所有者に対し電柱の利用料(共架料)を支払う必要がある。また、地区によっては電力会社と通信会社が、交互に電柱を建てることによって、利用料を相殺している場合もある。ただし1本の電柱にあまり多くのケーブルを架設してしまうと、電柱の大きさ・強度によってはケーブルの張力や重みによって電柱が折れる・倒れるといった事故につながる可能性がある。そのため、電柱の所有者の判断により架設を拒否する場合もある。
電力と通信で共用されている電柱の場合、基本的には高い位置にあるのが電力線、低い位置にあるものが通信線(電話線、光通信ケーブル、ケーブルテレビの同軸ケーブルなど)である。
公道に敷設されている電柱は、その土地を所有する国、自治体などから占有権を取得して設置している。最近の共同溝は国・自治体の所有で、電気・通信事業者等は占有使用権を取得し、占用料金を支払う。占用料金は各自治体などが条例によって設定しており、一例として群馬県沼田市では電柱1本につき一か月あたり133円である。私有地に設置されているものについては原則として私有地の所有者に対して占有料金が支払われる[1]。
電柱無断利用問題
「USEN#創業者」も参照
USEN創業者の宇野元忠は、ケーブルを一旦設置してしまえば、行政も簡単には撤去できないと、電柱の無断使用を組織ぐるみで行い、社会問題化した。この事件は、1970年代の歴代内閣の申し送り事項となった。
また、有線ラジオ放送についても、契約後の工事を迅速に行うため、法令を無視して工事を行い、さらに酷い場合には、既設電線を切断して自社のケーブル架設を優先させたりもした。
国会においても、「ハエを追い払って一時そのあたりにハエがいなくなったと思ったら、またハエがたかってくるといった、ゲリラ的と申しますか何と申しますか、まことにどうも言語道断な現状にあります(1977年4月27日衆議院逓信委員会)とまで言われている。
このことから 、1985年8月20日に有線ラジオ法違反で宇野元忠社長他幹部が逮捕されている。
1994年に同社は関係正常化宣言を行い、新規に敷設するケーブルの電柱使用に際し、事前に許可を取る方針に転換するが、以後も過去に敷設したケーブルの電柱使用料の支払い等を巡り問題は次期社長宇野康秀になるまで未解決のままとなった。
その後、宇野康秀が社長に就任してからは、非合法状態のままでは電気通信事業者としての認可を得られないなどの問題から、本格的に事態の収拾が図られ、2000年4月には電力会社・NTT等との間で過去に遡った清算が完了した。
電柱の森
名古屋市南区滝春町(名鉄常滑河和線大同町)そばの株式会社トーエネック教育センターでは90本もの林立した電柱を見ることが出来る。テレビ朝日系列ナニコレ珍百景珍百景No.40として紹介された。
脚注
- ^ 山林や田畑などを通過させる場合など。引き込みのさいに契約者(利用者)が自己所有する電柱や壁面、構内設備に架設しているような場合は除く。
