国際競走

国際競走(こくさいきょうそう)とは開催している主催者に所属している競走馬のほか、外国に厩舎を置く調教師に管理された競走馬(以下、外国馬と呼ぶ)も出走できる競走である。ただし、外国馬については最大出走可能頭数が全ての競走馬の最大出走可能頭数とは別に定められていることが多い。

アメリカやヨーロッパでは多くの競走で外国馬にも門戸を開いている。日本では外国馬に門戸を開いている競走は限られていたが、徐々に国際競走を増加させており、2010年には中央競馬の重賞はすべて国際競走となった。

目次

シリーズ戦

近年は国際競走が世界各地で多くなってきており、その賞金額も年々増加傾向にある。そこで強い競走馬を出走させたくなるような魅力的な競走を提供すべく取り入れられたのが複数の競走からなるシリーズ戦の導入である。シリーズ内の競走に複数勝利した場合やシリーズによって定められているポイントによる上位馬にボーナス賞金を出すことによって、シリーズへの参加を促している。2010年現在、日本の競走が組み込まれているシリーズ戦は以下の5つである。

サマーシリーズ(サマースプリントシリーズ・サマー2000シリーズ・サマージョッキーズシリーズ(2007年開始))は中央競馬の夏季開催を盛り上げる為に2006年から行われている。当初は国際競走のシリーズではなかったが、2009年からすべての競走が国際競走になった。

日本における国際競走

2010年現在、日本では中央競馬のみで162競走が国際競走として指定されている。

しかしジャパンカップなど一部の競走を除いて海外からの選出馬が発表されたものの、その後選出馬の関係者(馬主、調教師ら)が出走辞退を発表して結果的に日本調教馬のみで競走が行われる事例が多数ある。これは日本のGIシーズンが海外の競馬においてもGI競走が比較的多く行われ、そこに照準を合わせて調教を行う馬が多いことや海外から出走する場合に行われる検疫検査を行うための厩舎などの施設が充分整えられていない(現在は千葉県白井市競馬学校兵庫県三木市三木ホースランドパークなど)ことなども挙げられる。

さらに言えば、世界的にも国際競走とはいうものの自国もしくは近隣国の調教馬しか出走しない競走が大半である。

また、国際競走として外国馬には門戸を開く一方で地方競馬所属馬に一切門戸を開いていない競走も数多く存在している問題も挙げられる。

なお2010年現在、地方競馬では国際競走は行われていない。

歴史

1970年秋に国際招待競走を施行する予定があったが実現しなかった[1]

1981年ジャパンカップが創設されて以後国際競走を盛んに行うようになり、過去10回の実績を踏まえて1992年にジャパンカップが国際GI競走に指定された。2004年の時点では国際指定競走は24競走(平地22、障害2)が対象となっており、そのうちジャパンカップのほか安田記念宝塚記念マイルチャンピオンシップの4競走が国際GI競走に、京王杯スプリングカップ毎日王冠阪神大賞典なども国際グレードに指定された(次項参照)。

また近年は有力外国馬に国際指定競走に出走してもらうよう促すため、一定のレーティング基準を満たした外国馬が出走する場合に諸費用を日本中央競馬会(JRA)が負担する制度も設けられている。なおJRAが渡航費用を負担するのは原則として「当該馬のレーティングが110以上の場合」とされており[2]、特にレーティングが高い馬の場合は馬の輸送費以外に関係者の宿泊費などもJRA負担となるが(事実上の招待扱い)、輸送費のみをJRAが負担し宿泊費などは自己負担となるケースもある[3]

中央競馬では2005年から2009年の「新5カ年計画」で2007年までに国際指定競走を従前の24から111前後に増やしており、2005年については春秋の天皇賞について各5頭までの外国馬に門戸を開放することやGI以外の重賞23、オープン特別13の36競走(全て平地競走)を国際競走に指定し国際競走指定競走は60(平地58、障害2)と大幅に拡大された。また2007年からは有馬記念も国際指定競走となる(但し東京優駿などを含む2〜3歳限定競走については生産者保護の観点から2007年は対象から外れた。2009年からは3歳限定競走、2010年からは2歳限定競走に対しても徐々に対象を拡大した)。

これはSITA(国際サラブレッド競売人協会)の国際格付け(世界各地の競馬先進国をパート1,2,3と分類している)において従来日本がパート2に格付けされていたことから、それをパート1に昇格できるようにするための準備の一環とされている。

2007年の競馬番組でこの5ヵ年計画の中途目標が達成される見込みとなったため、IRPAC(国際格付番組企画諮問委員会)に申請を行い2006年11月にSITAで承認、日本のパート1国への昇格が決まった。これに従い2007年から以下に示す競走が国際競走の指定をうけることとなる。しかしSITAでは、同時に「外国人馬主に関する制度の改善が行われない限り、これ以上国際グレードに指定される競走を増やすことはない」との警告も行っていた[4]。その後、2009年よりさらに開放を進め、2010年よりすべての重賞が外国馬にも開放されたことから、JRAのグレードと同じ国際グレードでの格付けがなされるようになった。

日本中央競馬会主催の国際競走

国際グレードは2007年から。国際グレードで格上げ、格下げされた競走は2006年以前は無い。

例えば安田記念は1993年から国際競走だが、国際GIに指定されたのは2004年以降である(その間は「国際グレードなし」となる)。キャピタルステークス2002年のみ、国際競走ではなかった。有馬記念は2006年まで国際競走では無かったが、2000年から同年のジャパンカップ優勝外国馬に限り出走可能だった。

JRAグレードで格上げ、格下げされた競走は以下。

国際GI

競走名国際グレード無し国際GI
フェブラリーステークス無し2007年
高松宮記念20012006年2007年〜
桜花賞無し2010年
皐月賞無し2010年〜
天皇賞(春)2005、2006年2007年〜
NHKマイルカップ無し2009年
ヴィクトリアマイル2006〜2008年2009年〜
優駿牝馬無し2010年〜
東京優駿無し2010年〜
安田記念19932003年2004年
宝塚記念19972000年2001年〜
スプリンターズステークス1994〜2005年2006年〜
秋華賞無し2009年〜
菊花賞無し2010年〜
天皇賞(秋)2005、2006年2007年〜
エリザベス女王杯1999〜2006年2007年〜
マイルチャンピオンシップ1998〜2003年2004年〜
ジャパンカップ19811991年1992年
ジャパンカップダート2000〜2006年2007年〜
阪神ジュベナイルフィリーズ無し2010年〜
朝日杯フューチュリティステークス無し2010年〜
有馬記念無し2007年〜

国際GII

競走名国際グレード無し国際GII
日経新春杯2006年2007年〜
アメリカジョッキークラブカップ2006〜2008年2009年〜
京都記念2005、2006年2007年〜
中山記念2005、2006年2007年〜
弥生賞無し2010年〜
フィリーズレビュー無し2010年〜
スプリングステークス無し2010年〜
阪神大賞典無し2002年
日経賞2002〜2006年2007年〜
大阪杯2003年2004年〜
ニュージーランドトロフィー無し2009年〜
阪神牝馬ステークス2006年2007年〜
マイラーズカップ無し2004年〜
フローラステークス無し2010年〜
青葉賞無し2010年〜
京都新聞杯無し2009年〜
京王杯スプリングカップ1994〜2000年2001年〜
東海ステークス2006年2007年〜
金鯱賞2000〜2006年2007年〜
目黒記念2005〜2008年2009年〜
札幌記念無し2009年〜
セントウルステークス2005、2006年2007年〜
ローズステークス無し2009年〜
セントライト記念無し2010年〜
オールカマー1995〜2006年2007年〜
神戸新聞杯無し2010年〜
毎日王冠1996〜2000年2001年〜
京都大賞典無し2003年〜
デイリー杯2歳ステークス無し2010年〜
スワンステークス1998〜2006年2007年〜
アルゼンチン共和国杯2005〜2008年2009年〜
京王杯2歳ステークス無し2010年〜
ステイヤーズステークス2005〜2008年2009年〜
阪神カップ2006〜2008年2009年〜

国際GIII

競走名国際グレード無し国際GIII
中山金杯2006年2007年〜
京都金杯2006年2007年〜
フェアリーステークス無し2009年〜
シンザン記念無し2009年〜
京成杯無し2009年〜
平安ステークス2006年2007年〜
東京新聞杯2005、2006年2007年〜
根岸ステークス2005、2006年2007年〜
京都牝馬ステークス2005、2006年2007年〜
共同通信杯無し2009年〜
小倉大賞典無し2009年〜
シルクロードステークス2006年2007年〜
ダイヤモンドステークス2006〜2008年2009年〜
きさらぎ賞無し2009年〜
クイーンカップ無し2009年〜
アーリントンカップ無し2009年〜
阪急杯2005、2006年2007年〜
オーシャンステークス2006〜2008年2009年〜
チューリップ賞無し2010年〜
中京記念2005、2006年2007年〜
中山牝馬ステークス2006年2007年〜
フラワーカップ無し2009年〜
ファルコンステークス無し2009年〜
毎日杯無し2009年〜
マーチステークス2006年2007年〜
ダービー卿チャレンジトロフィー2006年2007年〜
福島牝馬ステークス無し2007年〜
アンタレスステークス2005、2006年2007年〜
新潟大賞典2005〜2008年2009年〜
ユニコーンステークス無し2009年〜
エプソムカップ2005、2006年2007年〜
CBC賞2004〜2006年2007年〜
マーメイドステークス2005、2006年2007年〜
ラジオNIKKEI賞無し2009年〜
函館スプリントステークス無し2009年〜
七夕賞2006年2007年〜
プロキオンステークス2005、2006年2007年〜
アイビスサマーダッシュ2006〜2008年2009年〜
函館記念無し2009年〜
小倉記念無し2009年〜
関屋記念2005、2006年2007年〜
函館2歳ステークス無し2010年〜
北九州記念無し2009年〜
クイーンステークス無し2009年〜
新潟記念2006年2007年〜
キーンランドカップ無し2009年〜
札幌2歳ステークス無し2010年〜
新潟2歳ステークス無し2010年〜
小倉2歳ステークス無し2010年〜
朝日チャレンジカップ2005、2006年2007年〜
京成杯オータムハンデキャップ2006年2007年〜
エルムステークス無し2009年〜
シリウスステークス2006年2007年〜
府中牝馬ステークス2005、2006年2007年〜
富士ステークス1984〜2001年2002年〜
武蔵野ステークス2000、2001年2002年〜
ファンタジーステークス無し2010年〜
みやこステークス無し2010年〜
東京スポーツ杯2歳ステークス無し2010年〜
福島記念2006〜2008年2009年〜
京阪杯2005、2006年2007年〜
鳴尾記念1997〜1999、2006年2007年〜
中日新聞杯無し2009年〜
カペラステークス2008年2009年〜
愛知杯無し2007年〜
ラジオNIKKEI杯2歳ステークス無し2010年〜

国際グレード外

競走名国際競走施行年
レパードステークス2009年〜

オープン特別

競走数備考
1981〜1983年1平場オープン
1984〜1997年1富士ステークス
1998〜2000年0競走なし
2001年1キャピタルステークス
2002年0競走なし
2003、2004年1キャピタルステークス
2005年14この年から増加
2006年18
2007年23
2008年38
2009年〜371競走減少

障害競走(国際グレード無し)

競走名グレード国際競走施行年
ペガサスジャンプステークスオープン特別2001年〜
中山グランドジャンプJ・GI2000年〜

国際競走の推移

平地合計
重賞オープン特別
1981〜1983年112
 国際グレード無し 
JRAGIJRAGIIJRAGIIIオープン特別
1984〜1991年10012
 国際GI国際GII国際GIII小計国際グレード無し小計 
JRAGIJRAGIIJRAGIIIオープン特別
1992年1001000112
1993年1001100123
1994年1001210145
1995年1001220156
1996年1001230167
1997年1001340189
1998年100145101011
1999年100155101112
 平地障害 
国際GI国際GII国際GIII小計国際グレード無し小計国際グレード無し小計
JRAGIJRAGIIJRAGIIIオープン特別J・GIJ・GIIJ・GIIIオープン特別
2000年10016520131000115
2001年22046321121001218
2002年23276400101001219
2003年24286501121001222
2004年462124501101001224
2005年462126101614461001260
2006年562136153318721001287
GIGIIGIIIJpnIJpnIIJpnIII 
2007年1216315914523331001294
2008年12163159156385010012111
2009年152558[5]98001373810012138
GIGIIGIIIオープン特別 
2010年223467[5]3716010012162

注釈

  1. ^優駿』1970年10月号、p.49
  2. ^ 東京スポーツ・2009年11月18日付競馬面
  3. ^ 【エ女王杯】シャラナヤ“招待馬”扱い - sanspo.com・2009年11月10日
  4. ^ [1]
  5. ^ a b レパードステークス(グレード無し)を含む

関連項目


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