エア・コンディショナー
エア・コンディショナー(Air Conditioner)とは、空調設備のひとつで、部屋内の空気の調整を行う機械である。狭い意味では、冷媒による単段蒸気圧縮冷凍サイクルの蒸気圧縮冷凍機のパッケージ・エア・コンディショナーや家庭用のルーム・エア・コンディショナーの内、水以外の熱媒体で熱を搬送するものを指す。通称エアコン。以降、エアコンと表記。
「エアコン」=「エアー・コンディショニング」または「エアー・コンディション」の略として使用される場合もある。
なお、人によっては空気を管理するという意味で、「エアコン」=「エア・コントローラ」だと思い違いがなされたり、「エア・コンダクター」と思い違う場合もある。そのため、英略語ではAir Cond.とする場合がある。 又、『エヤコン』と誤った言い方をする人もいる。
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型式
基本機能として冷房専用形と冷暖房兼用のヒートポンプ形がある。
また、次のような形態がある。
- ユニットの形態
- 一体型 - 圧縮機・凝縮器・蒸発器が一体となったもの。冷媒配管が不要である。家庭用の窓型や鉄道車両用に使われる。
- リモートコンデンサ型 - 圧縮機・蒸発器が一体となった室内機と、凝縮器のみを内蔵した室外機を冷媒配管で接続したもの。室内側に圧縮機があるためメンテナンスが容易で、カスタマイズ(ヒーターや加湿器の取り付けなど)を必要とする工場(設備)用や、業務(ビル)用の一部で使われていたが、室内に圧縮機の騒音や振動が発生することや、室内機に圧縮機を内蔵する構造から室内機のバリエーションが限られ(基本的に床置き形のみ)、室内の状況に応じた機器(室内機)の配置がしにくいことなどから、近年では後述するリモートコンデンシングユニット型(家庭用のセパレートタイプまたはセパレート型)やマルチ式(ビル用など)が主流となっている。通称「中コン(なかこん:室内機側に圧縮機(=コンプレッサー)があるため)」または「リモコン型(一部のエアコンメーカー)」。
- リモートコンデンシングユニット型 - 圧縮機・凝縮器が一体となった室外機と、蒸発器が内蔵された室内機を冷媒配管で接続したもの。家庭用のセパレートタイプはこの方式。
- マルチ式 - 圧縮機・凝縮器が一体となった室外機と、蒸発器が内蔵された複数の室内機を冷媒配管で接続したもの。業務(ビル)用の主流。家庭用にも販売されているが、実例は少ない。
- 室内機の形態
- 床置き形 - 業務(ビル)用の古い(1970年代まで使われた)タイプ。タンス程度の大きさ、あるいは窓際に高さ1メートル程度の上部に噴出し口を持つ室内機が、壁際にむき出しで設置されている。室内機の分、床面積が減るために新規の建物では使われなくなった。現在でも古い地下鉄の駅や工場、事務室などでよく見かける事ができる。なお、室外機と一体として、キャスターがついて自由に移動できるものは冷風機として、業務用・家庭用共に販売されている。
- 壁掛け型 - 家庭用セパレートタイプ。
- 天井吊型 - 倉庫などのような天井骨組みがむき出しの場合に使われる。
- 天井埋め込みカセット型 - 通称「天カセ」。表面に吸込口・吹出し口のある蒸発器内蔵ユニットを天井内に埋め込むもの。天井面がフラットになり、床置き形のように床面積も減らないため、店舗やオフィスビルなど業務用で多く用いられている。
- ダクト接続型 - ユニットとダクトを接続し、任意の場所に吸込口・吹出し口を設けられるもの。大型ビルやホテル用。
家庭用
ルーム・エア・コンとも呼ばれる家庭用エアコンには、形態として、圧縮機・凝縮器・蒸発器が一体となった窓形と、圧縮機・凝縮器が一体となった室外機と、蒸発器が内蔵された室内機とで構成されるセパレート型(東芝では「スプリット型」という)の二種類がある。セパレート型では、日本などの東アジア圏では壁掛け型が主流である。(一方、欧米では横長長方形の窓型がほとんどである。) 能力によって、2.2k,2.5k,2.8k,3.6k,4.0k,4.5k,5.0k,5.6k,6.3k,7.1kWなどがある。使用する電圧も、単相100Vと、単相200Vと、動力の三相200Vがある。通常、エアコン一台に子ブレーカー一個を用意する。なお、家庭用のエアコンは窓型、セパレート型とも、2001年より家電リサイクル法の対象となり、廃棄の際に適正な処理が義務付けられた。
動力の三相200Vエアコンは室外ユニットや室内ユニット共外観上一般の100/200V単相エアコンと同じであるが、省令による規制があるため受電方法が異なる。
電気設備技術基準(経産省令)の規定では家庭で3相200Vを使用できるのは屋外機器のみとされている[1]。そのため動力エアコンは室外電源のみ3相200Vであり室内ユニットの運転および通信制御は室内側で受電した100/200Vで行われる。従って一部のメーカー(ダイキンなど室内電源を室外ユニット送り以外で受電不可能な機種)での業務用エアコンを住宅へ設置した場合、電力会社との図面協議で指摘され送電拒否や変更を求められるケースが生じる
家庭用エアコンは、冷房・暖房・ドライ(除湿)など多様な空気調整が可能な機種が製造・販売の多くをしめる。最近はトップランナー方式による省エネ化が進み、内部の改良とも相まって以前のものよりも消費電力が少なくなっている。 日本国内で発売されるエアコンはほぼ全てインバータ制御を内蔵した機種になっている。インバータエアコンは1981年に当時の東京芝浦電気(現・東芝)が世界で初めて発売した。当初は、圧縮機には誘導電動機を用いていたが、1990年代に高効率なブラシレスDCモータが開発されて以来、現在では、日本で発売される家庭用エアコンに搭載される圧縮機用・ファン用のモータは、ほぼ全てがブラシレスDCモータになっている。 日本ではインバータエアコンが主流であるが、世界的に見れば一定速である非インバータエアコンがまだまだ主流である。
また、非インバータエアコンでは商用電源周波数による能力の差があり、50Hz地域では60Hz地域より1割~2割能力が落ちるが(そのためエアコンのカタログは50Hz・60Hz別々に作成していた)、インバータエアコンではそれがなくなった。能力の違いは圧縮機に用いる誘導電動機の回転数が電源周波数に依存するためである。
差別化機能としてマイナスイオンの発生、フィルタの自動清掃機能などをうたったものも存在する。また、空気清浄機機能や換気機能、加湿機能、HA JEMA標準端子-Aが付いたものもある。
シーズンオフには、プラグを抜いたりブレーカーを落とすことにより、待機電力をなくす家庭がある。家庭用での暖房では、「すぐに温風がふき出して欲しい」という需要が高い。そのため、外気温が低い場合は、停止中でも機器を予熱をする機能を持つ機種がある。このような機種では冬場の待機電力は多い。
また、寒冷地など暖房時に外気温が低すぎる場合は、屋外で燃焼をした熱をヒートポンプする「石油エアーコンディショナー」がある。同様にガス(都市またはLP)の火で熱を発生させ、その熱を室内へ送る「ガスエアコンディショナー」もある。寒冷地で、除霜運転が多いことが予想される場合は有効な選択である。なお、家庭用では、冷房にガスや石油の力はあまり使用されていない。過去にパナソニックや東芝なども石油や都市ガス等を使ったエアコンも販売(ガス会社へのOEMも含む)されていたが、暖房時におけるエアコン自体の性能向上に伴い、採用されるケースが少なくなった。
ちなみに海外にも日本と同様の壁掛けタイプ(欧米では窓型の方が主流)のエアコンが普及しているが、日本のエアコンほど機能面では豊富でなく、シンプルな単機能のものが多い。また欧米では暖房としてセントラルヒーティングや暖炉などが住宅に備わっているケースもあるため、エア・コンディショナー(Air Conditioner または A/C)というと彼らはクーラーを前提に話をしているケースが多々ある。
業務用
業務用エアコンは、大型のものや各種原動機を使用したものが存在する。2002年からフロン類を冷媒とする業務用機器は、フロン回収破壊法の対象となり、廃棄する場合、適正な処理が義務付けられた。
ビル用・マルチ・エアコン
ビル用・マルチ・エアコンは、一つの室外機で複数の室内機を使用し空調を行うものである。中小規模の建築物で一般に使用されていて、以下の特徴がある。
- 室内機の個別起動・停止が可能である。
- 増設が容易に出来る。
なお、増設が容易に出来るという点には疑問点がある。配管を将来増設する場所へ先行工事して(先端を封止)あっても取り付けの時、配管内部の冷媒ガスを室外ユニットへ集める運転(ポンプダウン運転)を行うがビル用マルチエアコンは現地冷媒追加量が多いためポンプダウンしきれない場合があり別途回収機と回収ボンベにより時間をかけて行う必要がある。例として写真のメーカの製品の場合、30馬力の5階建てビルで約26kgと室外ユニットに初期充填(現地配管分ゼロ)に匹敵する冷媒回収を要した。
- さらに1系統や2系統程度にまとめた物件だとガス漏れ、故障の時のダメージが桁外れに大きくなる(メーカにより室内基板1台故障というだけで通信異常が生じ全滅)
- それ以外に対応出来る増設ユニットを製造していない場合もありえる。
- 一時的に室内ユニットを取り外す場合は部屋単位の分岐配管部へ閉止バルブを追加施工した方が有利である(再度取り付け、再移設の場合ガス回収が不要~最小で済む)
コンビニエンスストア用
コンビニエンスストア専用の冷凍・空調統合システムが存在し、以下のような特徴がある。
- 冷凍・空調統合システムであるため冷媒の総使用量が少ない。
- 冷蔵・冷凍ショーケースの廃熱で暖房するため効率が高い。
- 冷房時も制御の工夫により最大需要電力・使用電力量とも少なくなっている。
メーカーの発想に違いがあり冷媒回路を空調、冷蔵、冷凍で共有する方式(システムダウン時、どちらも運転不能)や三菱電機のように相互の熱のやりとりを熱交換器ですることで冷媒回路や通信制御が全く独立していて単独で機能するのもある。
ガスエンジンヒートポンプ(GHP)・灯油エンジンヒートポンプ(KHP)
ガスエンジンで圧縮機を駆動し、冷暖房を行うガスエンジンヒートポンプもガス供給会社の営業努力により近年普及が進んでいて、以下のような特徴がある。
- 消費電力が小さく、電力ピークカットの効果も高い。
- 発電機を搭載した機種も登場、自己消費電力のほとんどをまかなう為、商用の消費電力はごく僅かである。
- 電動機駆動のものより整備・点検費用が多くかかる。
- 初期導入費用が電気式より高い。(都市ガス用はメーカー系販社と取引があっても都市ガス供給事業者を経由しないと購入できないため割高である)
- 室外機の設置スペースまたは高さが電気式に比べ大きく必要(20馬力システムだと電気式と比較した場合占有面積は2割増し、高さは1.5倍、重量は2倍ある)
- レシプロエンジンでコンプレッサーを駆動するものはモーターに比べ騒音が大きい。またガス燃焼特有の臭気が発生する(エンジン自体はLPGタクシーやCNG車と同じだが排気ガスに関する厳しい規制が無く野放し状態)
- 燃焼排気ガスからドレン排水が発生するが、強酸性であるため中和処置を行わず垂れ流しにするとコンクリートの腐食を誘発する
- ガスエンジンの廃熱を暖房に利用できるため、寒冷地においても暖房運転の立ち上がりが良い。また暖房時の室外熱交換器の除霜にもエンジン廃熱を用いるため、暖房能力の低下を抑えることができる。
- エンジンがコスト面から旧式を使っており総合効率は1を少し上回る程度(エンジンが30%程度、ヒートポンプがEER値が3~4の場合システムCOP値は1~1.2)で近年の電気式の省エネ化(特にマルチでなく1:1システムが顕著)でCOP値が4以上と従来機の半分の電気代で運転できる事から、導入費用+保守費用+ガス代を考えてもGHPが割高となるケースがあり、最近は新規採用が激減している。
- エンジン式の構造上、現状では冷媒漏れが避けられず、今後地球温暖化など環境面で問題となる可能性が高い。
- 当然ながら燃料(特に都市ガス)の供給が絶たれると運転できない
LPガスは災害時に供給が止まることが少なく、発電機で少量の電気を供給すれば稼動する。 ただし、都市ガスは復旧が遅く長期に渡って空調が使えなくなる。 したがって都市ガスが無ければ営業自体ができない店舗(飲食店やガス炊きボイラーの浴場)では問題にならないが、病院や事務所、飲食店以外の店舗など直接ガスに依存しない施設ではGHPだけに頼るのは好ましい例とは言えない (ガス式と電気式を各々供給設備容量を考慮し双方を設置するのが好ましいと言える)
- 保守点検時、重要な注意事項がある。 従来のR-22冷媒を使用する機械でもHFC冷媒用合成油が使用されているため配管の水分管理、異種油の混入に十分注意する必要がある。ヤマハ製の場合PGA系合成油(カーエアコンR-134aとして用いられている油と同じ)これはGHPのメーカーからも判るようにカーエアコンのコンプレッサーを流用(あるいは技術を流用)しておりシャフトシールや摺動部の潤滑がR134a用PGAオイル対応にしてしまった為である。
GHPで使われていた配管を再利用してR410A冷媒などの電気式エアコンを接続する場合も問題があり、現状では配管洗浄が必須 この理由はカーエアコン用PGAオイルの漏電性の問題である。カーエアコン、GHPは駆動にエンジンを使うため絶縁性より潤滑を優先させているため電気式エアコンにPGAオイルが混入すると直接的に漏電、間接的にモータ巻線を劣化させやはり漏電に至る。
車両用
カーエアコン
自動車に取り付けてあるエアコン。基本的な構造は、冷房の場合は通常のエアコンと変わりなく、コンプレッサーを使う方式である。一般の乗用車の場合はエンジンとはVベルトで繋がれ、必要に応じて電磁クラッチの断続によってコンプレッサーの制御を行う。一部のハイブリッドカー等では、エンジンが稼動している時間を短くするためにコンプレッサーの駆動をモーターで行っている物、コンプレッサーのプーリーにモーターを内蔵した物がある。
暖房は建物用エアコンと違い、液冷エンジンにおいて、エンジンを冷却した冷却液(冷却水、クーラント)を室内のヒーターに導き、熱交換している。すなわちカーエアコンの暖房は、エンジンの廃熱利用にあたる。そのため、暖房が効き始めるまでに時間がかかる。また、一部ハイブリッドカーではエンジンが稼動している時間が短いために冷却液が温まらず、結果として暖房が効かない。そのため、暖房のためにエンジンを稼動させることとなり、夏よりも冬に燃費が悪化するケースもある。
冷房の場合はエンジンの回転でコンプレッサーを稼動させるため、エンジンの負荷が増え、加速が鈍り、結果燃費も悪化する。 コンデンサーの熱交換によりラジエター流入気の温度が上がるため、水温も上昇しやすい。
1970年代はメーカー(販売店)オプションとしてカークーラーが助手席側ダッシュボード下に吊り下げられている物が殆どで、 1980年代の大衆車は、エアコンは販売店オプション扱いのものが殆どであった。 1990年代後半になると一部の軽商用車の下級グレードを除いて標準装備となり、 2000年代の普通車でエアコンがない車両はロータス等の特殊なスポーツカーのみである。
除湿や結露(による凍結)防止、視認性の向上の観点からもエアコンONが望ましく、自動車教習所の教習車でもエアコンはONで実技指導を受ける。
現在、日本で売られている車には、商用車やコンパクトカーの廉価グレードの車を除いて、設定温度に応じて自動で制御されるフルオートエアコンが普及している。 しかし、シンプルさが求められる欧米では、よほど高級車でない限り、自動調節されないマニュアルエアコンである。 日本で製造されている日本車であっても、日本国内向けにはオートエアコン付きにしているが、輸出向けにはマニュアルエアコンにグレードダウンされている。
かつてキャブレター式燃料噴射の車両では、エアコンON時のアイドル回転数の制御が上手く働かずに暴走事故が起きた事もあった。
バスの冷房装置については、機関直結式冷房装置を参照。
鉄道用
電車の冷房装置については集中式冷房装置、分散式冷房装置、集約分散式冷房装置を、気動車の冷房装置については、機関直結式冷房装置を参照。
相対湿度の低下
冷房は室内機が結露し、その水分を屋外へ排水するため、湿度が下がる。これは、体感温度を下げる助けになる。
しかしインバーターエアコンでは自在に出力を調整出来るため、始動時は高出力運転を行うが、室温が安定した後は低出力の運転を行う。低出力の運転では室内機が結露を起こさないため、室温だけが下がり相対湿度は上昇する。そのためジメジメ感やカビ、ダニの発生の原因になる事があるため、除湿機を併用したり、冷房のかわりに再熱除湿を使用したりして、湿度の上昇に注意する必要がある。
暖房は室内で燃焼を行わないため、相対湿度が下がる。これは、体感温度を下げる副作用となる。結果、過度な暖房をし、自律神経失調症につながる場合もある。エアコンのみで暖房を行う場合は、加湿器を併用するなど、乾燥に注意する必要がある。
冷房と除湿
冷房運転は室温を設定温度に合わせるものであり、除湿運転は湿度を設定した湿度に合わせるものである。目的で選択することにより快適な状態となる。同じ室温でも湿度が低ければ体感温度が下がり快適に感じるため、日本の夏のような多湿の場合は、室温をあまり下げなくても除湿をすれば快適に感じる場合がある。
除湿運転には二種類有り、弱冷房除湿と再熱除湿がある。弱冷房除湿では弱く冷房をかけて除湿する。そのため温度を下げる能力は冷房運転より低下するため、当然だが消費電力も少なくなる。この方式では湿度と同時に温度も下がるため、だんだん除湿量が低下していきあまり除湿出来なくなる。また梅雨時など室温がそれほど高くない場合は肌寒く感じることもある。次に室温を保ったまま湿度を下げるのが再熱除湿である。しかし、冷房除湿で温度が下がった空気をヒーターで加熱して一定温度に戻す再熱除湿は、冷房運転よりも消費電力は多い。このタイプの再熱除湿は近年の家庭用エアコンでは採用されていないが、一部の鉄道車両用エアコンなどで採用されている。近年の家庭用エアコンで多く採用されている室外機の廃熱をリサイクルする方式の再熱除湿では、冷房に比べて温度を下げる能力が低下する。そのため、昼間など大きな冷房能力が必要なときに使用すると、室温が下がらずに消費電力だけ大きくなる場合もある。機種によっては温度や湿度を監視し、最適なモードに自動的に切り替える物もある。
除湿運転の場合、冷房運転だけでは取りきれない湿度を下げる事が出来るため、設定温度を高めにしても体感温度は下がる場合もあるので、実際の運転時の消費電力はケースバイケースとしか言えない。そもそも最初に戻るが、温度を下げることが主目的の冷房と、湿度を下げることが主目的の除湿では目的が異なるため、単純に消費電力だけを比較しても意味がないのである。
メンテナンス
次のようなメンテナンスを行うことが望ましい。
- エアフィルタの清掃 - 運転時に2週間に一度以上行うことが望ましい。衛生面のみが目的ではなく過負荷運転の防止にもなる。汚損は風量・効率の低下、消費電力の増大をまねき、故障の原因にもなる。近年はエアフィルタの清掃を自動で行う機種もある(2003年に富士通ゼネラルより初登場。低価格帯の商品ではついていないことが多いがシャープでは2007年モデル以降全機種に装備)。クリーニング業者に依頼する際は、同箇所のみならず、室内機内のクロスファンの洗浄も同時に行うことが望ましい。
- ドレン配管のつまりの点検 - 冷房シーズン前に行う。つまりがあると室内に水漏れをおこすことがある。暖房運転時には室内機側ドレンに水分は発生しない。
- 凝縮器・蒸発器の洗浄 - 汚染が激しい場合に行う。通電部に洗浄液がかからないような措置を行ってから実施する。また、後洗浄や排水処理を行わないと腐食の原因となる。
問題点
室外機は、特に冬場、暖房にすると音が高くなることがある。
エアコンは消費電力が大きく、電力消費は夏期の日中がピークとなっている。節電のため設定温度を上げる、すだれを降ろして直射日光を遮る、部屋を仕切って冷やす空間を最小限にするなどの対策が望まれる。ただし、風量を弱くすることは内部のファンの回転が弱まるだけであり設定温度まで冷却する(または暖める)こと自体に変わりはないので節電・エコの観点から見ると効果は薄い。冷房の場合は設定温度を上げて(暖房の場合は下げて)風量を強くすることの方が効果的である場合が多い。
通常のエアコンは換気能力を備えていない。これはエアコンの仕組みを知れば明らかなことであるが、仕組みを知らない者は「室外機との間で空気の出し入れをしている」と勘違いするようである。なお、エアコンとはまったく別個の装置として、換気装置を内蔵している機種は存在する。
日本の主なエアコンメーカー
- ルームエアコン・パッケージエアコン・ビル用マルチエアコン・設備用エアコン・自動車用エアコン
- アイシン精機 (ガスヒートポンプ式) - 室内ユニットは三菱重工とダイキン製
- ヴァレオサーマルシステムズ(自動車向け)
- 神戸製鋼所 (業務用空調)
- ケーヒン (自動車向け)
- 小泉成器 (ウインド型・千石のOEM)
- コロナ(基幹部分は東芝製)
- カルソニックカンセイ (自動車向け)
- サンデン(自動車向け)
- 三洋電機 (2010年モデルから家庭用エアコンは富士通ゼネラルのOEM)
- シャープ - 過去に業務用も販売(ダイキン製)
- 千石(OEM生産のみ)
- ダイキン工業 - 業務用タイプをパナソニックへ供給
- デンソー - 灯油ヒートポンプ(KHP)のみ取扱い(室内はサンヨー製)・自動車向けもある。
- デンソーエース - 旧ゼネラルエアコンテクニカ、スキーニーというブランドでトヨタ系列施設、輸入住宅、コンビニで使用、いずれも三菱電機製
- 長府製作所(基幹部分は三菱電機製、一部機種はダイキンのOEM)
- 東芝キヤリア
- トヨトミ(ウインド型)
- 日立アプライアンス
- 富士通ゼネラル - パッケージエアコン・業務用エアコンは海外のみで販売
- 富士電機 - 業務用ではエアスカットというブランドで販売(三菱重工製)(家庭用は海外向け。現在は富士通ゼネラルのOEM)
- パナソニック、パナソニック電工 (業務用タイプのみ販売)
- 三菱電機(一部の業務用エアコンは三菱重工業のOEM)
- 三菱重工業 (一部のハウジングエアコンは三菱電機のOEM)
- 森田電工(ウインド型)
- リンナイ (温水式)
- ヤンマーエネルギーシステム(ガスヒートポンプ式) - 室内ユニットは日立とダイキン製
- 吉井電気 (ウインド型)
- 過去に製造・販売していたメーカー
- 三協
- GAC - わが国で初めて窓用タテ型ウインドエアコンを製造。GEスキニーというブランドで1974年~1983年まで製造・販売された。
- ソニー (ダイキン工業のOEM)
- 松下冷機 (パナソニックと合併)
- 高木産業 (松下電器のOEM)
- 東洋キヤリア工業(東芝キヤリアに統合。統合前は東芝からのOEM)
- ノーリツ (三洋電機などからのOEM)
- 日本電気ホームエレクトロニクス (三洋電機などからのOEM)
- 日本ビクター (三菱重工業のOEM)
- ブラザー工業 (三菱電機のOEM)
- 船井電機
- ホリエ
- ゼクセル (旧・ヂーゼル機器・自動車向け。ヴァレオサーマルシステムズに社名変更)
- ヤマハ発動機 (ガスヒートポンプ式)(室内ユニットは三菱電機製)
脚注
- ^ 具体的には電技解釈第162条に、住宅の屋内電路の対地電圧は原則として150V以下にする旨定められている。
