三振

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空振り三振する打者
空振り三振する打者

三振(さんしん)とは、野球ソフトボールにおいて打者投手からストライクを3つ取られること、またそのときの記録である。英語ではStrike Out(略記SO)といい、スコアブックではK、またはS.Oと記す。

目次

概要

1回の打席において、打者が3回ストライクを宣告されたときの記録を三振という。このとき、第3ストライクの投球を捕手が正規に捕球するか、後述する規則により第3ストライクの宣告を受けた打者が直ちに走者となれない場合には、打者はアウトになる。ここで第3ストライクの宣告は、直ちに打者のアウトを意味するとは限らないことに注意しなければならない。

球審は、第3ストライクを宣告する際、「ストライク・スリー」とコールする。かつては「ストライク・バッターアウト」などのコールも用いられていたが、三振が即アウトではないことを考慮すると、「ストライク・バッターアウト」の宣告は、まだアウトになっていない打者に対して誤ってアウトを宣告してしまう恐れがある。そのため、打者がアウトになったかどうかの区別なく、第3ストライクにあたる投球に対しては全て、「ストライク・スリー」を宣告することとしている。

規定

2ストライク後、次のような場合に三振が記録される。公式記録の上で状況による区別はないが、特に目的をもって記録をつけている者はその目的に応じてしばしば区別して記録する。

打席の途中で代打があり、1回の打席で複数の打者が出てきて最終的に三振に終わった場合は、第2ストライクが記録された時に打席に立っていた打者に三振が記録される。これは、打席に立った打者が2人であればもっとも多くストライクを受けたのは第2ストライクを受けた打者であることによると思われる。

無死または一死で一塁に走者がいる場合を除き、第3ストライクにあたる投球を捕手が正規に捕球しなかった場合、打者はアウトではなく、打者走者となる。これを振り逃げといい、打者をアウトにするためには、内野ゴロ同様に、守備側は打者または一塁に触球しなければならない。それまでに打者が一塁に到達すれば、打者は走者となって一塁に生きることが出来る。振り逃げによる一塁出塁の成否に関わらず、打者には三振が、投手には奪三振が記録される(これにより、1 イニングに4つ以上の三振が記録される場合がある)。(詳細は、振り逃げを参照)

  • 三振で打者がアウトになった直後に塁上の走者が盗塁に失敗、または離塁が大きかったために触球されてアウトになることを、俗に「三振ゲッツー三振併殺)」という。この場合、打者には三振が記録されるが併殺打は記録されない。

なぜ'K'か?

スコアブック上で三振をKと表記する理由は諸説あり、「Knockout」のKを採ったとする説が最も有力である。これは、「Strike out」の頭文字の「S」や「SO」をそのまま表記してしまうと、「Sacrifice(犠打)」や「Steal(盗塁)」、「StealOut(盗塁死=盗塁失敗)」と重複するためだと言われる。他に、ルールブック編集者がアウトにする方法を適当に箇条書きした上で、アルファベットを一文字ずつ振っていき、その結果、偶然にも三振のところに「K」が振られたのが、「三振=K」の理由とする説もある。ただし現在の公認野球規則において三振になった打者がアウトになることを規定しているのは、打者がアウトになる場合を列挙している6.05のうち(b)(c)(j)である。

三振の評価

以前は三振が多くてもそれは思い切りの良い打撃の裏返しであり、打者の個性であると好意的に見られており、「ブンブン丸」などニックネームが付けられることもあった(逆に「大型扇風機」などと揶揄されることもあった)。三振が好意的に見られる傾向は打線の中軸を担う打者に対するものが多いが、このような打者はしばしば試合の大事な場面で決勝打を放つなどチームに貢献している選手であり、三振などの少々の失敗には目をつぶるという割り切った考え方に起因している。

しかし近年はセイバーメトリクスの発達により、投手の奪三振が高く評価されるようになり(前に打球を飛ばされなければ、必然的に打者を出塁させることもない)、相対的に打者として三振の多さは欠点の1つと見られるようになってきている。ただし、いわゆる早打ちの打者は三振数は少ないが必然的に四球も少なくなり、また強打者はある程度三振数が多くなる傾向があり、その点は留意が必要である。三振も基本的にほかのアウトと変わりはないので(むしろ走者がいる場面では下手に打球を打って併殺打となるよりは三振のほうがましである)、四球数との比率、打席あたりの投球数などを考慮せず、下記の打数/三振比率が高いことだけで優れた打者の指標とすることはできない。四球が多く三振が少ない選手は高い評価を受けている。

空振り三振と見逃し三振は同じ三振であり分けて評価する必然性はないが、空振り三振は積極的な打撃の結果だが見逃し三振は消極的な打撃の結果であるとして、見逃し三振をより低く評価する者もいる。脇村春夫高野連会長だった頃、夏の甲子園大会の閉会式における講評の中で、「残念なのは、未だに見逃し三振が非常に多いことです」とほぼ毎年・毎回のように語っていた。

打数/三振比率 (At Bats per Strikeout)

メジャーリーグの野球記録では、打者に対する「三振のしにくさ」を評価する数値として、打数を三振数で割った係数が用いられる。この係数の特徴は打数を分子とすることで、四死球や犠打、失策の要素が影響せず、その打者の打撃がどれほど確実に投球を打ち返すかを表現している点である。 この数値が大きいほどその打者は三振しにくい。また実際は打者の打率の高さともある程度の相関を持ち、いわゆる「コンタクトヒッター」ほど高い数値を示す。

奪三振

奪三振(だつさんしん)は、投手が打者を三振に仕留めることで、投手に与えられる記録である。

上記の要領で打者に三振が記録されると同時に、投手には奪三振が記録される。対戦打者の三振と対戦投手の奪三振は必ず同数になる。

  • 1イニングが3アウトで終了することから、1イニングで記録できる奪三振は3個が基本的な上限である。しかし、振り逃げが成功した場合、奪三振は記録されるが、アウトカウントは増加しない。振り逃げは条件さえ整っていれば1イニングに何度でも行うことが可能であるので、理論上は1イニングで何個でも奪三振が記録できることになる。
  • 投手にとって三振を取ることは、打者の狙いを完全に外すことであり、投手対打者の対戦において投手の完勝と言える。特に奪三振の多い投手はドクターKなどと呼ばれ、強打者との対戦がクローズアップされるなど注目度が高い。
  • 1人の打者との対決の途中に投手が交代し、最終的にその打者が三振した場合は、第3ストライクを取った投手に奪三振1が記録される。よって「奪三振1を記録するために必要な最少投球数」は「1球」ということになる。

奪三振率

奪三振率とは投手が1試合(9イニング)完投したと仮定した場合の平均奪三振数である。すなわち次の式により求められる。

奪三振率=奪三振数×9÷投球回

この値は投手のタイプの指標となり、少なければ打たせて取る投手、高ければ三振を取る投手と認識される。年代別に見ると、奪三振率はメジャーリーグにおいては全体的に上昇する傾向にある[1]


シーズンを通しての日本記録(規定投球回数達成者)は1998年石井一久11.047。大リーグ記録は2001年ランディ・ジョンソン13.41。ちなみにシーズン奪三振世界記録を樹立した1968年江夏豊10.9696

日本プロ野球

三振に関する記録

通算記録

記録は2009年シーズン終了時点

順位名前三振順位名前三振
1清原和博195511池山隆寛1440
2秋山幸二171212*中村紀洋1432
3*タフィ・ローズ165513*山崎武司1424
4衣笠祥雄158714田中幸雄1416
5広澤克実152915王貞治1319
6*谷繁元信152416*小久保裕紀1308
7門田博光152017宇野勝1306
8*金本知憲150618*堀幸一1295
9野村克也147819山崎裕之1267
10大島康徳146220有藤道世1204
*石井琢朗

*は現役選手

シーズン記録

順位名前所属三振記録年
1ラルフ・ブライアント近鉄バファローズ2041993
2ラルフ・ブライアント近鉄バファローズ1981990
3ラルフ・ブライアント近鉄バファローズ1871989
4ラルフ・ブライアント近鉄バファローズ1761992
5岩村明憲ヤクルトスワローズ1732004
6オレステス・デストラーデ西武ライオンズ1651990
7中村剛也西武ライオンズ1622008
8ボビー・ミッチェル日本ハムファイターズ1581977
9トニ・ブランコ中日ドラゴンズ1572009
10スコット・シェルドンオリックス・ブルーウェーブ1552002

その他の記録

チーム記録
記録球団三振数年月日対戦相手
1試合チーム最多三振千葉ロッテマリーンズ191995年4月21日オリックス・ブルーウェーブ
中日ドラゴンズ192005年4月6日ヤクルトスワローズ
2006年6月19日福岡ソフトバンクホークス
シーズンチーム最多三振北海道日本ハムファイターズ11512005年
個人記録
記録選手選手選手選手選手
1試合最多三振(5三振)若菜嘉晴トニー・ソレイタリチャード・ゲイル愛甲猛鶴田泰
上原浩治マイク・グラン仁志敏久渡辺俊介里崎智也
ロブ・デューシー大豊泰昭金子誠谷繁元信小久保裕紀
的山哲也    
1イニング最多三振(2三振)真田重蔵穴吹義雄備前喜夫後藤修鈴木隆
河津憲一石井茂雄菱川章森昌彦梅田邦三
辻恭彦清水透金村義明クリス・ナイマン荒木大輔
真弓明信中尾孝義酒井忠晴佐々岡真司石井一久
橋本清大豊泰昭ラルフ・ブライアント平尾博嗣斎藤隆
緒方孝市ネイサン・ミンチー野口寿浩的山哲也小宮山悟
高山久高橋建ジョージ・アリアス後藤光尊タフィ・ローズ
井上純桧山進次郎久保裕也村田修一相川亮二
明石健志スコット・マクレーン細山田武史永井怜


連続三振
シーズン最少三振(300打数以上)
連続無三振

奪三振に関する記録

通算記録

記録は2009年シーズン終了時点

順位名前奪三振順位名前奪三振
1金田正一449011小野正一2244
2米田哲也338812*山本昌2192
3小山正明315913槙原寛己2111
4鈴木啓示306114川口和久2092
5江夏豊298715山田久志2058
6梶本隆夫294516平松政次2045
7*工藤公康285217星野伸之2041
8稲尾和久257418松岡弘2008
9村田兆治236319*三浦大輔2002
10村山実227120高橋一三1997

*は現役選手

これら上位の記録は、まだ投手分業制が浸透しておらず、各球団エースが2、3日連投し投球回数が多かった時代に達成されたものである。投手分業制が定着している近年では投球回数が減少しているため、これらの記録を更新することは容易ではない。その一方で、前述のように奪三振率が近年上昇傾向にあることもあり、これらの記録だけから過去の大投手と現代の投手の奪三振能力の比較を一概に行うことはできない。

シーズン記録

順位名前所属奪三振達成年
1江夏豊阪神タイガース4011968
2稲尾和久西鉄ライオンズ3531961
3金田正一国鉄スワローズ3501955
4江夏豊阪神タイガース3401970
5杉浦忠南海ホークス3361959
6稲尾和久西鉄ライオンズ3341958
7梶本隆夫阪急ブレーブス3271956
8稲尾和久西鉄ライオンズ3211959
9杉浦忠南海ホークス3171960
10金田正一国鉄スワローズ3161956

その他の記録

1試合最多奪三振
※延長戦では、亀田忠が20奪三振を記録(1938年9月16日、延長14回)
1試合最多連続奪三振

1イニング4奪三振投手


※これとは別に、野口茂樹遠藤政隆の継投での記録がある。

全員奪三振 単独によるもの

継投によるもの

※は、全員奪三振ながら試合に敗れたケース。
全員奪三振を達成したのは、2005年の中日(川上)を除き全てパ・リーグのチーム。全員三振を喫したのは、2008年の阪神を除き全てパ・リーグのチーム。セ・リーグのチームが関係したケースはいずれもセ・パ交流戦であり、セ・リーグ公式戦ではまだ記録されていない。これは、打席に立たない投手がいる場合、セ・リーグの場合は記録達成不可能だが、DH制のあるパ・リーグなら記録に関係ない、といった事情がある。
千葉ロッテは2009年に史上初のシーズン2度の全員三振を喫した。

通算1000奪三振スピード記録

順位名前所属投球回達成年
1野茂英雄近鉄バファローズ8711993
2*石井一久ヤクルトスワローズ9132000
3江夏豊阪神タイガース9401970
4*杉内俊哉福岡ソフトバンクホークス979 1/32009
5伊良部秀輝千葉ロッテマリーンズ997 1/31996

*は現役選手

アメリカメジャーリーグ

三振に関する記録

通算記録

2009年シーズン終了時点

順位名前三振順位名前三振
1レジー・ジャクソン259711*マイク・キャメロン1798
2*ジム・トーミ231312*ケン・グリフィー・ジュニア1762
3サミー・ソーサ230613ボビー・ボンズ1757
4アンドレス・ガララーガ200314クレイグ・ビジオ1753
5ホセ・カンセコ194215デール・マーフィー1748
6ウィリー・スタージェル1936*マニー・ラミレス
7マイク・シュミット188317*カルロス・デルガド1745
8フレッド・マグリフ188218*アレックス・ロドリゲス1738
9トニー・ペレス186719ルー・ブロック1730
10デーブ・キングマン181620ミッキー・マントル1710

*は現役選手

シーズン記録

2009年シーズン終了時点

順位名前所属三振記録年
1マーク・レイノルズアリゾナ・ダイヤモンドバックス2232009
2マーク・レイノルズアリゾナ・ダイヤモンドバックス2042008
3ライアン・ハワードフィラデルフィア・フィリーズ1992007
3ライアン・ハワードフィラデルフィア・フィリーズ1992008
5ジャック・カストオークランド・アスレチックス1972008
6アダム・ダンシンシナティ・レッズ1952004
7アダム・ダンシンシナティ・レッズ1942006
8ボビー・ボンズサンフランシスコ・ジャイアンツ1891970
9ホセ・ヘルナンデスミルウォーキー・ブルワーズ1882002
10ボビー・ボンズサンフランシスコ・ジャイアンツ1871969
プレストン・ウィルソンフロリダ・マーリンズ2000

その他の記録

連続無三振試合

奪三振に関する記録

通算記録

2009年シーズン終了時点

順位名前奪三振順位名前奪三振
1ノーラン・ライアン571411フィル・ニークロ3342
2ランディ・ジョンソン487512ファーガソン・ジェンキンス3192
3ロジャー・クレメンス467213*ペドロ・マルティネス3154
4スティーブ・カールトン413614ボブ・ギブソン3117
5バート・ブライレブン370115カート・シリング3116
6トム・シーバー364016*ジョン・スモルツ3084
7ドン・サットン357417ジム・バニング2855
8ゲイロード・ペリー353418ミッキー・ロリッチ2832
9ウォルター・ジョンソン350419マイク・ムシーナ2813
10グレッグ・マダックス337120サイ・ヤング2803

*は現役選手

シーズン記録

※1901年の野球以降を対象。2008年シーズン終了時点

順位名前所属奪三振達成年
1ノーラン・ライアンカルフォルニア・エンゼルス3831973
2サンディ・コーファックスロサンゼルス・ドジャーズ3821965
3ランディ・ジョンソンアリゾナ・ダイヤモンドバックス3722001
4ノーラン・ライアンカルフォルニア・エンゼルス3671974
5ランディ・ジョンソンアリゾナ・ダイヤモンドバックス3641999
6ルーブ・ワッデルフィラデルフィア・アスレチックス3491904
7ボブ・フェラークリーブランド・インディアンス3481946
8ランディ・ジョンソンアリゾナ・ダイヤモンドバックス3472000
9ノーラン・ライアンカルフォルニア・エンゼルス3411977
10ランディ・ジョンソンアリゾナ・ダイヤモンドバックス3342002
  • 1900年以前の記録:
※400奪三振以上。以下は全て投手-本塁間50フィートのルール適用時のもの

その他の記録

1試合最多奪三振(延長含む)
  • 21:トム・チェニー(ワシントン・セネターズ)(1962年、投球回16)
1試合最多奪三振(投球回9イニング以内)
連続奪三振
連続二桁奪三振試合

マイナーリーグ

マイナーリーグでは、1952年5月13日のブリストル・ツインズ対ウェルチ・マイナーズの試合で、ツインズのロン・ネッチアイRon Necciai)投手が、9回27奪三振でノーヒットノーランを達成した記録がある。

関連項目

脚注

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外部リンク


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