機動戦士ガンダムF91

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機動戦士ガンダムF91
MOBILE SUIT GUNDAM Formula 91
監督富野由悠季
製作サンライズ
山浦栄二
脚本伊東恒久
富野由悠季
音楽門倉聡
主題歌ETERNAL WIND〜ほほえみは光る風の中〜森口博子
撮影奥井敦
編集布施由美子
野尻由紀子
安藤洋子
配給松竹
公開1991年3月16日
上映時間115分
製作国日本
言語日本語
allcinema
 Template‐ノート:Infobox Film 

機動戦士ガンダムF91』(きどうせんしガンダムエフきゅうじゅういち、MOBILE SUIT GUNDAM Formula 91)は1991年3月に劇場公開されたガンダムシリーズアニメ映画。略称は「F91」。同時上映は『武者・騎士・コマンド SDガンダム緊急出撃』。

目次

物語

機動戦士ガンダム』の時代から40年以上、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』の時代からは約30年経った宇宙世紀0123年が舞台である。大きな戦乱も無く平和な世界、人類はその大半が地球から月までの軌道に設置されたスペースコロニーに移住し、地球連邦政府という国家の枠組みを超えた全地球規模の組織に統治されていた。

しかし、地球連邦政府は疲弊・腐敗しており、これに対しマイッツァー・ロナは「人の上に立つべき者は、人々の規範となるような高貴な精神を持つ者でなければならない」とする思想「コスモ貴族主義」を掲げ、地球連邦政府の打倒と理想とする貴族主義社会の実現のために、秘密裏に軍事組織 クロスボーン・バンガード(C・V)を設立し、スペースコロニー「フロンティアIV」を急襲する。

街を覆う戦火と混乱と容赦ない死の中で、民間人の少年 シーブック・アノーは襲撃から避難するために、友人達とともにコロニーを脱出するが、同行していた内の一人 セシリー・フェアチャイルドはC・Vに連れ去られてしまう。実はセシリーはマイッツァーの生き別れの孫娘ベラ・ロナだったのである。

シーブック達は近隣のコロニー「フロンティアI」に辿り着き、地球連邦軍の宇宙練習艦スペース・アークに保護される。艦内にはF91と名付けられた整備中のMS(モビルスーツ)があった。

一方、C・Vに占領されたフロンティアIVではコスモ貴族主義の実現のための国家「コスモ・バビロニア」の建国が宣言され、セシリーはコスモ・バビロニアの象徴として祭り上げられることになる。

そして、F91に乗って反攻するシーブックと、専用MSビギナ・ギナを与えられたセシリーは、戦場で対峙する。

作品解説

元々はTVシリーズの企画であり、『機動戦士ガンダム』の劇場公開10周年に合わせて、そのTVシリーズ用の構想の1クール分にあたるストーリーを劇場用に映像化したものが本作である[1]。時代設定は『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』の30年後。それまでのシリーズに登場した人物はまったく登場せず、新たな時代と人物による新シリーズの立ち上げを目指して製作された作品である[2]。「ニュータイプ」に関しては、前作のシャア対アムロの対決で一応のけりがついたとされ、作品発表に際し本作の物語の主題は「家族論」であると富野は述べた。

『機動戦士ガンダム』を手がけ、富野由悠季とともに『ガンダム』の象徴的存在とも言える安彦良和大河原邦男の両名が久々に参加している。安彦は『ガンダム』以後の作品ではキャラクターデザインでしか参加していなかったが、「最初の『ガンダム』のように話作りにも参加させてくれるのなら」という条件付きで参加した。が、結局はストーリー作りへの参加は実現しなかった。彼は『F91』のアニメーション用アレンジやノーマルスーツのデザイン、それらのカラーリングなども行った。大河原は『ZZ』以来の参加で、作品中に登場するすべてのMSをデザインした。『ガンダム』以来久々に富野との話し合いにより作られたMSは、従来から大きく変わった事により賛否が分かれた[1]

大河原は通常作画の手間を考えて線を少なくすることに注意しているが本作のメカデザインは劇場作であるため、「目一杯線を増やしていい」というサンライズ側の要望があった[3]

本作に登場するMSの特徴として、従来より小型化していることがあげられる。『逆襲のシャア』までのMSは大型化しており、初代ガンダムの全高は約18mだったのに対し、νガンダムは24mに達している。ところが本作のMSは約15m程度と大幅に小型化しており、富野は「一番大きな理由としては、模型にした時に、同スケールで縮めた人間のモデルとからめやすい、ジオラマなどの情景が組みやすいという点にあります」[4]と『聖戦士ダンバイン』のロボットが小型化されたのとほぼ同様の理由を述べている。富野自身は10m以下のサイズまで小型化したかったのだが、結局商品展開の都合で15m程度に収まった[5]

設定上ではMSが大型、肥大化したことによる運用面での不備が出てきたことによるコストダウンのためとされているが現実の理由も同様で、プラモなど商品化した際のコストダウンが目的である[6]。実際は、従来スタンダードであった1/144スケールサイズに「1/100」の看板が付いたに過ぎず、ボールジョイント型ポリキャップや色プラ技術、二重関節等の本格導入もあり、スタンダードスケールとしての価格はむしろ高騰している。しかしこの設定は従来のファンから受け入れられず、特に模型ファンからの不満の声が多かったため[5]、『機動武闘伝Gガンダム』以降は再び大型化を始め、富野が監督を務めた『∀ガンダム』や、宇宙世紀の最も未来を描いた『G-SAVIOUR』も含め再び18m前後のサイズに戻っている。

難解だった前作『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』に対し、富野によると本作は「解りやすさ」に重点を置いている。主人公も解りやすいヒーローになり、物語もハッピーエンドになった。『逆襲のシャア』ではニュータイプ論がテーマだったが、本作は「家族の問題」という非常に身近なテーマになっており、新世代の観客には解りやすくなっている。この結果、富野は本作を「ストーリー的には成功」としている。そのため前半はわかりやすく親しみやすくなっているが、終盤は『逆襲のシャア』と同じく戦況は混乱し、ぽっと出の固有名を一瞬しゃべらせるだけで場面の説明をするなど、畳みかけるような難解さと安易さというガンダム劇場版の伝統は受け継がれている[7]

本作に登場する円盤型の殺人兵器であるバグは「同じ大量殺戮でも、(『機動戦士ガンダム』『機動戦士Zガンダム』で使用した)毒ガスより直接的な痛みを感じさせるものが欲しい」という、監督の演出意図に沿って用意された[8]。これは当時、富野が「子供が生のリアルさを失いつつあるのではないか」という強い懸念を持っていたことと関連しており、続いて監督したTVシリーズ『機動戦士Vガンダム』ではさらにエスカレート、生理的嫌悪感を伴う残虐な死の描写を、「本来の視聴者」である子供に容赦なく突き付けた。

その後、企画されていたはず[9]のTVシリーズが制作されなかった理由については、本作の興行成績が思わしくなかったためであるという説もある。また、富野にすら秘密であったサンライズがバンダイに身売りする過渡期の作品という事情も存在する。本作のその後は富野原作による漫画機動戦士クロスボーン・ガンダム』である程度描かれている。

劇場公開後、本編フィルム全8ロール中1から6ロールの一部カット修正、7・8ロールに約5分の新作カットを追加して再編集及び音声の再ダビングしたディレクターズカット版『機動戦士ガンダムF91 完全版』がビデオ販売された。後に発売されたDVD版では『劇場公開版』と『完全版』の両方が収録されている[10]

サンライズの劇場用アニメとしては初めてビスタサイズの動画用紙で作画された作品である。これ以前のサンライズの劇場用アニメはすべて通常サイズの動画用紙の上下を切ってビスタサイズの縦横比に合わせた所謂「貧乏ビスタ」で作画されている[11]

登場人物

各キャラクターの詳細は機動戦士ガンダムF91の登場人物を参照。

スタッフ

主題歌

元々は「君を見つめて」がテーマ曲で「ETERNAL WIND」は挿入歌の予定だったが、富野由悠季の意向により変更された[12]。プロモーションフィルムでは「君を見つめて」が使用されている。森口はデビュー曲である『Ζ』後期主題歌「水の星へ愛をこめて」以来のガンダム主題歌になる。この曲は森口にとって、自身最大のヒット曲となり、『紅白歌合戦』の初出演も果たした。

また、公開当時にはそれぞれの曲を使用した数種類のCMが放映されていた。

関連作品

小説 機動戦士ガンダムF91 クロスボーン・バンガード
  • 上巻:ISBN 978-4-04-410134-3
  • 下巻:ISBN 978-4-04-410135-0
全2巻の小説が富野由悠季により執筆され、角川書店角川スニーカー文庫)より刊行されている。表紙イラストと挿絵は美樹本晴彦が担当。
上巻の3/4程度は劇場版の物語より過去のエピソードである。クロスボーン・バンガードの母体であるブッホ・コンツェルンやロナ家の成り立ちからマイッツァー・ロナが挙兵に至る経緯、ハイスクール時代におけるシーブックセシリーの出会いなどについてが詳しく語られている。また、劇場版の物語の始まりであるC・VのフロンティアIVへの侵攻以降のストーリーでも、劇場版では細かく説明されていない設定や各登場人物の心理描写などが描かれており、より深く作品を理解できる内容となっている。なお、物語の展開は劇場版とは大まかな流れは変わらないものの、設定の一部や終盤の展開が異なる。
漫画 機動戦士ガンダムF91
劇場公開に合わせて講談社の少年向け漫画雑誌「コミックボンボン」の1991年1月号から同年5月号に連載された漫画作品。作画は井上大助
少年漫画としてかなり大きくアレンジされており、実直な好青年だった主人公シーブックの性格及び口調がかなり乱暴になっている。
2000年に大都社から『機動戦士ガンダム0080』とカップリング収録で復刻されている。
F91-MSV(機動戦士ガンダムF91モビルスーツバリエーション)
本作の作品世界のモビルスーツ(MS)のデザインや設定を行う企画(モビルスーツバリエーション)。メカニックデザインは本作と同様に大河原邦男が担当。複数の雑誌、情報誌などで展開された。
バンダイ発刊の模型雑誌「B-CLUB」では、本作の劇場公開に先駆けて、ガンダムF91のベースとなったMS、ガンダムF90に関連する企画が発表された。この企画は後述の『機動戦士ガンダムF90』に派生しており、B-CLUB誌上で発表されたMSの内、『機動戦士ガンダムF90』の漫画版に登場しないMSも同作のMSとして分類される場合が多い。
また、本作の劇場公開に合わせて講談社よりガンダムシリーズ専門の漫画雑誌「ガンダムマガジン」が発刊され、アニメ作品中に登場したMSの重装備型などのバリエーションが発表されている。狭義の『F91-MSV』はこの企画を指す。
その他、後述の『機動戦士ガンダム シルエットフォーミュラ91』も企画当初は『F91-MSV』のタイトルで発表されている。
機動戦士ガンダムF90

詳細は「機動戦士ガンダムF90」を参照

F91の小型MS展開の露払いとして展開したプラモデルによる企画及び漫画。ガンダムF90の登場に関連して、作品世界での小型MSの誕生の経緯について設定される。漫画版の物語は本作の3年から2年前。地球連邦軍と旧ジオン軍の残党の戦いが描かれる。
機動戦士ガンダムF91 フォーミュラー戦記0122

詳細は「機動戦士ガンダムF91 フォーミュラー戦記0122」を参照

劇場公開後の1991年夏に発売された、スーパーファミコン用のゲームソフト。 「SFC版F91」「ゲーム版F91」などと呼称される場合も多いが、実際には外伝作品であり、登場人物が異なるほか、登場MSも一部が共通するに留まっている。物語の舞台は本作の1年前。旧ジオン軍の残党の壊滅と、その裏でのクロスボーン・バンガードの暗躍が描かれる。
機動戦士ガンダム シルエットフォーミュラ91

詳細は「機動戦士ガンダム シルエットフォーミュラ91」を参照

1992年より発表された、プラモデル、小説、漫画によるメディアミックス企画。ガンダムF91の技術を盗用した機体であるシルエットガンダムなどが設定されている。物語の舞台は本作の1か月前。シルエットガンダムの実動試験中におけるクロスボーン・バンガードとの遭遇と、そこから始まる一連の事件について描かれる。
機動戦士クロスボーン・ガンダム

詳細は「機動戦士クロスボーン・ガンダム」を参照

1994年から1997年に「月刊少年エース」に連載された、長谷川裕一著の漫画作品。本作の続編であるが、本作の10年後を舞台としており、コスモ・バビロニアは既に崩壊した後となっている。宇宙海賊として再興したクロスボーン・バンガードの木星帝国との戦いが描かれる。
機動戦士ガンダム クライマックスU.C.

詳細は「機動戦士ガンダム クライマックスU.C.」を参照

2006年に発売された、プレイステーション2用のゲームソフト。内容としてはガンダムシリーズの映像作品の1つとして本作が収録されている形であるが、SDガンダム作品以外で初めて本作のシナリオが再現されているほか、ゲームのエンディング曲として本作のテーマ曲である『ETERNAL WIND』が使用されている。
また、漫画版『機動戦士ガンダム クライマックスU.C. 紡がれし血統』は本作の時間軸での物語と、『機動戦士ガンダム』から『逆襲のシャア』までの時間軸での物語を並行する構成となっている。

脚注

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外部リンク

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使用法

{{宇宙世紀}}と入力してテンプレートを呼び出します。

{{宇宙世紀|各小見出しの題名のいずれか}}と入力すると、あらかじめその部分が展開された形でテンプレートを呼び出すことができます。

小見出しの入力例
  • 作品 → 作品
  • 登場人物 → 人物
  • 機動兵器 → 機動兵器
  • 艦船及びその他の兵器 → 艦船
  • 用語 → 用語

{{宇宙世紀|人物}}と入力した場合

宇宙世紀

機動戦士ガンダムF91


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